電車の中吊り広告として掲示された風邪薬の広告キャッチコピー「かぜの時は、お家で休もう!」に、「当たり前が当たり前じゃなくなっていた」「考え方をアップデートしなくては」など、共感の声が殺到しています。
星見当番(@kaori_stargazer)さんが「やっと当たり前のことを言ってくれる風邪薬の広告が出る時代になった」と一言添えて、投稿した画像はシオノギヘルスケアのパイロンPLシリーズの中吊り広告。かぜで体調が悪いとき、家で休むのは当たり前のこと。そう考えて受け流してしまいそうなキャッチコピーです。ですが、投稿には共感の声が殺到し、リツイートは5万件を突破し、16万件を超えるいいねが寄せられています。
これまで、一部の風邪薬では広告コピーに「風邪でも絶対休めない人へ」といった趣旨の言葉が使われ、反発の声が上がっていました。COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の影響を受けた社会では、風邪薬の強いキャッチコピーに反対する意見がさらに強くなり、オンライン署名サイト「Change.org」では、特定の企業に向けてキャッチコピーを変更するよう提案する署名に1万2000人が賛同しています。
新しい社会様式が浸透する中、風邪との付き合い方も変化しています。ねとらぼ編集部はシオノギヘルスケアに広告制作の意図について詳しく聞きました。
キャッチコピーに「かぜの時は、お家で休もう!」を採用した経緯
――広告のコンセプトを教えてください
シオノギヘルスケア:かぜ薬は、かぜの症状を緩和しますが、やはり根本的に治していただくにはしっかり休養いただくこと、栄養を取ることが重要です。今回のキャッチコピーは、かぜの対処として正しいことは何なのか、お客様にお伝えすべきことは何かと考えた時に、自然と「かぜの時は、お家で休もう!」というコピーになりました。
医薬品を販売する者として、「つらくても我慢する」ことを良しとし、それを助長するのはよくないと考えています。「つらい時は我慢せずにゆっくり休んでほしい」「それでもだめならかぜ薬で緩和してほしい」「そんなやさしい社会になってほしい」という想いを込めました。
――「かぜの時は、お家で休もう!」のコピーはコロナ禍の時流なども意識してのものでしょうか
シオノギヘルスケア:「かぜの時は、しっかり休もうぜ!」というコピーは2019年冬から採用しており、COVID-19流行前から「休もう」という提案はしておりました。
一方で、COVID-19の流行は、皆様の「働き方」や「感染症に対する意識」も大きく変化させました。今必要なのは、自分のためだけでなく大切な人を守るためにも正しい対処方法をお伝えすることであると考え、「家で休む」というコピーにアップデートしました。
――SNSでの反響についてコメントをお願いします
シオノギヘルスケア:ここまで皆さまに反響いただくとは思っていなかったので大変驚いています。
寄せられたコメントの中に、「つらくても我慢して頑張ることが当たり前と思っていた自分に気づいた」「つらい時は休める社会になればいいな」「休んでいいよって言われて、はっとした」というような内容を拝見し、今回私たちのコピーを通して「働き方」や「これまでの価値観」に気づく一つのきっかけとしていただけたことに大変うれしく思います。
少しでも「つらい時は我慢せずに休める、やさしい社会」になるよう願っています。
――広告の掲出場所を教えてください
シオノギヘルスケア:以下の路線で最長で10月17日まで見ることが可能です。
京浜東北線、根岸線、埼京線、りんかい線、横浜線、南武線、鶴見線、相模線、山手線、常磐線、横須賀線、総武線快速、つくばエクスプレス、中央線快速、中央・総武線各駅停車、京葉線、青梅線、五日市線、武蔵野線、御堂筋線
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