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ハードなDVが35年続き、とうとう離婚計画に踏み出す妻。「無力感」繰り返すズレたアドバイスが相談者に響かない 「テレフォン人生相談」先週のハイライト(1/2 ページ)

加藤諦三、そのアドバイスはズレているのでは……!?

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 「テレフォン人生相談」(ニッポン放送・月〜金曜11時〜)先週のハイライト。今回ピックアップしたのは10月23日(金)放送の加藤諦三パーソナリティー回。

 先週は「夜の街、職場、ステイホーム……コロナ禍の現実」特集ということで、新型コロナ絡みの相談が多かったが、この日はまったく関係なく、夫にハードなDVを受けてきた女性からの相談。

テレフォン人生相談

加藤諦三は相談者の無力感を指摘するが……

 相談者は74歳女性。夫は同年代、長男と次男がいる。

 「1年前の夫からのDVにより、私自身が耐えきれなくなって別居することにしました」

 現在、自宅には夫と息子ふたりが住んでいるというが(息子たちが独身なのか、家族も一緒に住んでいるのかは不明)、相談者が家を飛び出す原因となった暴力がなかなかのすさまじさだった。

 「テーブルの上にある物を全部、鉄パイプで壊したり、私にも包丁を持って『殺してやる』というようなことで追いかけられてもおりました」

 夫が暴力を振るうようになった発端は35年前。友人の夫から「これを見たらどうですか?」とビデオテープを渡されたことだった。

 「中を見ましたらいかがわしいテープだったんですね。それで、すぐ返そうと思って置いといたら『これはなんだ?』ということで夫に見つかりました」

 そのテープを発見したことで浮気を疑った夫は、相談者を1週間監禁。仕事も休み、子どもたちが学校へ行った後、相談者を縛り付けていたという。

 「その間、アナタになにかをするっていうことはないんですか?」

 「毎日ではなかったですが、1週間のうちに10回、『やらせろ』と言ってきました」

 「性ですね? その性は、かなり暴力的な性ですね?」

 「無理矢理です」

 その後も、相談者は夫から同様の要求をされ続けてきたようだ。

 「大変失礼な言い方ですけれども、サディストっていうことは認めます? 夫が」

 「はい」

 「夫はサディストで、大変な無力感を持っていた」

 その無力感を解消するため、夫は相談者の自由を奪って自分の心の傷を癒やしていたのだと指摘した。

 「ああ、それが当たってるかもしれない」

 「それが35年間続いている中で、大変失礼な言い方なんですけど、アナタはこの夫の性の暴力の中に……。冷静に聞いてください。なんらかの満足はなかったですか?」

 すぐに離婚してもよさそうなことをされておきながら、その後35年間も結婚生活を続けてきたからには、相談者側にも満足感があったはずだと迫る加藤諦三。

 加藤の決めつけに近い指摘で、相談者自身も気付いていなかった心の扉が開くことも多いが、今回の相談者はあまりピンとこなかったようだ。

 「それをしなければ、また暴力をしたり、嫌がらせをするので……」「逃げ続けました。『いちご狩りに行こう』って言ってホテルに連れて行かれ、『ドライブに行こう』と言ってホテルに連れて行かれ、『一緒に風呂に入ろう』って言っても断ったりすれば、また嫌がらせがはじまるんです」

 「こういうサディストとマゾヒストの関係というのは矛盾した関係なんですよ。一方で恐怖感を持ち、嫌悪感を持ち、この人とは死んでもいいから離れたいと思いながらも、もう一方でその人にしがみついてるんです」「意識しないところで惹かれていて、そこでアナタは心の癒やしがあったんですよ」

 「いやあ、それはなかったですねぇ。惹かれてもいませんね、ホントに」

 加藤諦三は、35年間ずっとSM的な性行為を強要され、受け入れ続けてきたと考えているようだが、相談者の口ぶりだと、監禁生活の後は、夫婦生活自体をなるべく避けているように思える(35年間も夫を避け続けていながら離婚をしないのは疑問だが)。

 「だけども、アナタ自身の中に無力感っていうのがあるんですよ」

 「ありますよ、イヤなんですから! この人じゃない人と生活をしたいっていう願望は起きてきますよ!」

 どうも加藤諦三は相談者を「無力感のあるマゾヒスト」ということにしたいようだが、イマイチ芯を食っていない。

テレフォン人生相談

 「普通の常識から言えば35年間、子どもがいて……。続かないでしょう? 警察に頼めばいいわけですから」

 「去年、はじめて警察に相談しに行きました。そうしましたら警察は『距離を置いた方がいい』っていうことで別居という形を取ったんです。ここでひとりで住んでいますが、ただただ夫のそういう恐ろしいことから逃れている、その幸せ。その解放感は……最高ですぅ!」

 性生活の話に時間を取られてしまったが、ここからようやく本題。

 「今現在、夫が住んでいる土地というのは、(相談者の)実家から頂いた土地で、その土地を担保に夫がローンを組みまして、今から10年くらい前にローンを完済いたしました」

 74歳となった相談者は老後のことを心配しており、土地を売ってケア付きの老人ホームに入りたいと考えているという。

 土地は相談者名義。そこに建つ家の権利は夫と相談者で2分の1ずつ。こんな状態で土地を売ることは可能なのかというのが相談内容だ。

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