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お米の代わりに砂糖水を生む「砂糖イネ」爆誕 名古屋大学などが開発、“第3の製糖植物”目指す

日本の農業生産力が向上するかもしれないと期待されています。

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 名古屋大学などの研究チームが、イネの遺伝子をゲノム編集技術により改変し、高純度のショ糖を生産する「砂糖イネ」の開発に成功したと発表しました。


受精に失敗したイネが米粒ではなく砂糖水を生成 名大チームがゲノム編集技術で「砂糖イネ」を開発 デンプンではなく液体で満ちていた(写真B)

 研究に使われたイネは、受精に失敗すると米粒ではなく液体を生成することが確認されています。液体の成分解析によると、ショ糖が98%、果糖とブドウ糖が1%ずつ含まれていました。

 98%のショ糖というのは高純度で「第3の製糖植物」として世界に提供できるのではないかと研究チームは期待を述べました。現在、サトウキビと甜菜だけが世界で生産できるショ糖となっていますが、それぞれ沖縄などの熱帯地域、北海道などの寒冷地など、効率良く生産するには地域が限定されます。

 「砂糖イネ」は、イネが日本国内のどこであっても生産できることから、地域を限定せずに糖生産が行える可能性があります。また、日本だけでなく世界的に糖生産の限界を超えることができるかもしれないとしています。

 研究チームはイネと同じようにトウモロコシやコムギなどでも同様の遺伝子改変を行うことで、世界各地の事情に合わせた糖生産が可能になるのではないかと今後の展開へ期待を寄せました。


受精に失敗したイネが米粒ではなく砂糖水を生成 名大チームがゲノム編集技術で「砂糖イネ」を開発 トウモロコシも同じように遺伝子改変ができる可能性がある

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