あお向けに横になり「息をとめるだけ」……。筋トレをするための筋肉がない人でも始められそうな本『力尽き筋トレ』(光文社)がTwitterで評判を呼んでいます。
運動嫌いでも始めやすいように、極限までハードルを下げたというこの本。読者の力尽き度合いを残りHP「5%」「20%」「60%」「80%」に大別し、4段階のトレーニングを収録しています。「息をとめるだけ」は5%時のもの。
筋金入りの運動嫌いでもやってみたくなる内容はTwitter上で大ウケ。「私の運動したくなさ舐めてもらったら困るわ と鼻で笑いながらページを開いたら光文社は本気だった」「寝転んで出来るとか座ってできるやつ多くて助かる」「ものぐさな私でも大丈夫そう」と一躍注目を集めました。
今回はそんな『力尽き筋トレ』の著者、石本哲郎さんにインタビュー。「息をとめるだけで本当に筋トレになるの?」というぶっちゃけた質問から、本を書いたきっかけなどについて聞いてみました。
とにかく「筋トレのハードルを下げる」
――息をとめるだけのトレーニングが衝撃でした!
石本 このトレーニングを無理と言われたらもうお手上げです(笑)。
――本では残りHPごとにトレーニングの何度が上がっていくんですね。
石本 残りHP5%は布団の上でできる一番簡単なもの。世界一楽な筋トレといっても効果が無いものは載せられないので、最低でも筋トレやストレッチの効果が得られるものを紹介しています。
――息をとめるだけでも効果があるのでしょうか?
石本 あります。このトレーニングをなぜ入れたかというと、運動してない人は日常の中で「息が切れる瞬間」がほとんどないから。筋肉も細胞もそうですけど、ストレスとか刺激を感じるから強くなるんですよね。心肺機能も負担をかけることで強くなる。もちろん運動によって息が上がったほうが効果は高いのですが、息をとめるだけでも心肺機能を高める効果は期待できます。
――そもそもどんな読者層を想定して本を作ろうと?
石本 ダイエットしようと思ってるのにお菓子をすぐ食べちゃうような、意思の弱い方たちに寄り添いたいという思いで本を作りました。これまでそうした方を何百、何千と指導してきたんですけど、その中でやっぱり筋トレは大事だなと痛感していたんです。
筋トレってリターンがめちゃくちゃ大きいのに、みんなやらないですよね。よほど太りすぎたり、お医者さんに厳しいことを言われたりしないとやろうと思わない。それならまずはハードルを下げていくしかないと思ったんです。
――Twitterでも「これならできそう」という声が多いです。
石本 ありがとうございます。エゴサーチはめったにしないのですが、久々に検索してみて「『力尽き筋トレ』買った。まだ読んでないけど明日からやろう」っていうツイートがすごく面白くて(笑)。こういう方が買ってくれただけでもうれしいです。
もしかしたらこういう方はやるのが1週間後や1カ月後かもしれないですが、1カ月後に1ページ目を開けただけでも1歩目の階段を上がったことになると思います。それだけでも本を書いた意味があるかなと。
筋トレは最強の健康法
――筋トレはそれだけ重要ということですか。
石本 とにかく費用対効果がはんぱじゃないので、やる気や根性の無い人こそ筋トレするべきです。世の中には健康に関係するものが一杯あります。「和食」「スーパーフード」「しっかり寝る」「有酸素運動」「ヨガ」「ピラティス」「ボクササイズ」……その中でも一番良いのが筋トレ。解剖学、栄養学、いろんなものを勉強してきて、トレーナーとして大勢を指導してきて、この結論にたどり着きました。
――苦しくない運動だとウォーキングなどもありますが。
石本 ウォーキングだと筋肉もつかないし骨密度も上がらないし、心肺機能も上がらない。ウォーキングを1時間やるくらいだったら5分の腹筋でもやってほしい。「力尽き筋トレ」はめちゃくちゃゆるいですが、ただ歩くよりはよほど効果がありますよ。
筋トレは代謝を上げるとか、骨密度を上げるとか、成長ホルモンの促進とか全てにおいてのメリットが最上位なんですよ。これに勝てるものはない。
――筋トレ最強論……!
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