「このままでは閉業してしまう」 コロナ禍でピンチの帽子工場、新たな挑戦がTwitterで反響呼ぶ(1/2 ページ)
好きな柄の布や古着から帽子を作るサービスをスタート。
注文がほとんどなくなってしまった――町の縫製工場で修行中の帽子職人さんが、コロナ禍によるにピンチを打開するため、新たにオーダーメイドに挑戦すると投稿したツイートが反響を呼んでいます。
投稿した帽子(@bou4_1988)さんによると、工場は父親の代から始めたもので、野球帽を主として製造してきたとのこと。しかし今年は甲子園大会が中止され、部活も休止になったことから帽子の注文はほとんどなくなってしまいました。
工場を継ぐために頑張ってきたという帽子さんは、閉業を回避するため、顧客から布や古着を送ってもらってキャップに仕立てるオーダーメイドのキャップを作ることに。
これまでもオーダーメイドの帽子作りを試みたことはあったものの、コスト上の理由から販売中止となっていました。それでも「大手メーカーに頼らずにこれからも製造業を続けて行くにはこれしかない」という決意であらためて企画。
Webショップ「YUKIBOU-SHOP」を公開したところ、価格や対応可能な素材、生地となる古着のサイズなどについての質問や、「頑張ってください」といった応援が多く寄せられました。
コロナ禍で注文の減少に追い打ち
コロナ前と比べて注文がどのくらい減ったのか帽子さんに聞いたところ、近年と比べて、2020年は野球帽の注文が7〜8割減少しているとのこと。そうでなくても、コロナと関係なくここ10年ほど、徐々に野球帽の注文は減ってきていたのだそうです。「野球人口の減少や、低価格な海外工場での製品の影響だと思われます」と帽子さん。コロナ禍が追い打ちをかけた形となっています。
Twitterの投稿後には、メールや電話、Twitter経由での質問を含め、80件ほどの相談があったといいます(取材時点)。確定している注文は5件ほどですが、工場では少ない人数で問い合わせに対応しているため、今後は増える見込みだと帽子さんは話しています。
プロ野球選手の帽子を手掛けた職人もいるという帽子さんの縫製工場。生き残りをかけたチャレンジに「頑張ってください」と応援の声が寄せられています。
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