3人のお子さんを育てるbeth(ベス)さん(@3beth_gm)が、自閉症の長男・ハルくんとの心温まるエピソードを漫画にしています。
「ヘルプカード」「ヘルプマーク」って知ってる?
皆さんは「ヘルプカード」をご存じでしょうか。白い十字とハートマークがあしらわれた、赤い長方形のカードです。中には氏名や生年月日、緊急時の連絡先、配慮が必要なことなどの事項を記入できるようになっています。
ヘルプカードは、同じデザインのストラップ「ヘルプマーク」と併用することで、外見からはわかりにくい病気や障害などを持つ人が、周囲に援助を求めやすくなります。これらのアイテムは、精神障害を持つ人、義足の人、妊娠初期の人など、さまざまな事情を持つ人に向けて、各自治体の窓口などで配布されています。
ベスさんの長男・ハルくんも、見た目からは障害がわかりにくく、また頻繁に迷子になってしまうため、ヘルプマークを携帯しています。迷子になったとき、ハルくんは声をかけてもらっても自分で返事をすることが難しいため、ベスさんはヘルプマークに、ハルくんは迷子になりやすいこと、ハルくんが1人でいる場合は連絡してほしい旨を記載しているそうです。
知らない番号からの着信。その内容は……?
ある日ベスさんは、自分の携帯に知らない番号からの着信が数件入っていることに気が付きました。番号はすべて違うものです。一体なんだろう、とおそるおそるかけ直してみると、電話口の相手が告げたのは……「公園にヘルプカードが落ちてますよ」という報告でした。
そこでベスさんは前日のことに思い当たります。ハルくんは公園に遊びに行きましたが、帰るときにはなぜかヘルプマークをつけていなかったのです。おそらく服につけてあったヘルプマークが、遊んでいる最中に邪魔になってしまい、ハルくんは自らストラップを外して公園に置いて行ってしまったのだ、とベスさんは予想しました。
「すみません 子どもが置いてきてしまったようで」と慌てて謝るベスさんに、電話口の相手は「そうかあ」と優しく応じます。「『よく迷子になります』と書いてあるから心配したけど、無事ならよかった」。見ず知らずの人でしたが、ハルくんのことをとても心配してくれていたようです。
電話を受け、公園までヘルプマークを取りに行こうとしたベスさんでしたが、その後もヘルプマークが落ちているのを見た人から立て続けに電話がかかってきたそうです。ベスさんは「すべり台のとこ置いときますね」と連絡してくれた見知らぬ人にお礼を返しながら、ハルくんと一緒に公園を目指します。
公園に着くと、ヘルプマークは約束通り、すべり台の目立つ場所にひっかけてありました。「優しい方が多い町だなぁ」。ベスさんは改めて、そう感じたといいます。
まさかの後日談
これだけでもほっこりするエピソードですが……ベスさんによると、その後奇跡のような後日談があったそうです。ベスさんがハルくんのエピソードを漫画にしてInstagramに投稿したところ、あるフォロワーさんから、「そのヘルプマークを見つけて電話したのは、もしかして自分の夫ではないか」という連絡があったのです。
確認してみると、場所や状況などの条件がぴったり合致しており、心配してベスさんに電話をかけた中の1人が、実際にフォロワーさんの家族であったことがわかりました。すごい奇跡だ……!
ベスさんはInstagramを通じ、改めて電話をしてくれた人にお礼を言うことができたそうです。見知らぬ人の親切と思いきや、まさかの偶然で人の縁が繋がった、すてきなエピソードですね!
画像提供:beth(@3beth_gm)さん
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