人材採用サービスなどを展開する学情は、2022年度卒業生対象の「就職人気企業ランキング」と、20代転職希望者対象の「転職人気企業ランキング」の結果を発表しました。2つのランキングの比較からは、就職・転職におけるコロナ禍の影響も見えてきます。
調査結果からは、22年度の卒業生、20代の転職希望者ともに、COVID-19(新型コロナウィルス感染症)の影響で、2019年と比べ人気のある企業が大変動したことが分かります。
「就職人気企業ランキング」のトップは伊藤忠商事。続いて、味の素、アサヒ飲料と食品メーカーが続きます。これら食品メーカーはトップ50の中だけでも13社がランクインする人気ぶり。特に、10位のイオングループは昨年から60位以上順位を上げるなど、新卒者は身近に見たことがある食品メーカーや食品小売り大手を選ぶ傾向が見られました。
対して20代に聞いた「転職人気企業ランキング」では、IT・ソフトウェア系企業が人気を集めています。1位はアマゾンジャパン、2位がグーグル、3位が楽天とトップ3はいずれも大手IT企業。実に、トップ10の半分がIT系という人気ぶりです。
これらの業界はいまだに成長が著しく、その中でスキルを身につけつつ、活躍の機会を得たいと考えている人が多いことが推測されます。
さらに出版やゲームといった業種も人気に。22年度の卒業生では講談社が4位、集英社が11位、KADOKAWAが16位と出版系が上位に入り、また20代転職希望者のランキングでもKADOKAWAが7位、集英社が18位となっています。また、任天堂は22年卒では6位、20代の転職希望者では4位となりました。
これらの傾向に特徴しているのは、やはりコロナ禍の影響です。食品メーカーが人気を伸ばした理由としては外食ではなく家で食事をする機会が増えて消費が伸びたことが考えられます。アマゾンや楽天といったECサイトの運営企業が人気を伸ばしたのも、外での買い物ではなくネット経由での通販の需要が大きく伸びたことが理由として考えられるでしょう。また、出版・ゲームといった巣篭もり需要を満たす業種が人気となったことにも、コロナ禍の影響が見られます。
新卒者、転職希望者ともに、コロナ禍の影響を受けて希望業種を選んでいる傾向が見て取れる結果となりました。
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