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自分は関係ないって思っていませんか? 皆さん確定申告の季節がやってきました

知識と情報が足らずに困ることが多いようです。

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 確定申告の季節がやってきました。

 会社員、または、パート・アルバイトである自分には関係ないと思っていませんか。そう、ほとんどの場合、関係がありません。ただ、相談してくる人のほとんどが、会社員やアルバイトといった給与所得者か無職の方なんです。

 どうやら、毎年確定申告をする人たちより、確定申告に関係のない人たちのほうが、知識と情報が足らずに困ることが多いようです。

さんきゅう倉田

大学卒業後、国税専門官試験を受けて東京国税局に入庁。法人税の調査などを行ったのち同退職、芸人となる。芸人活動の傍ら、執筆や講演で生計を立てる。好きな言葉は「増税」。公式サイトTwitter


確定申告が必要となる場合

 立場上、いただいた質問や相談に答えることはできないのですが、「退職したんですが、確定申告が必要ですか?」「夫の扶養に入っているんですが、○△□はどうなるんでしょうか?」などといった質問が多いと感じています。

 そこで、普段確定申告をしない会社員やパート・アルバイトが、確定申告が必要となる場合をまとめました。

 確定申告には、納税の場合と還付の場合があります。

確定申告 確定申告の季節……今はネットで完了できますよ

還付の場合

 還付の場合は「還付申告」といいます。これは勤務先がやってくれる「年末調整」とは異なるので、ご注意ください。

 還付申告は、確定申告期間とは関係なく5年間提出することができます。過去に還付になりそうな年があれば、確認してみてください。なお、還付になるのは、以下のような場合です。

1:退職し、年末調整を受けなかったので、毎月の給料から天引きされている源泉徴収税額が納め過ぎとなっている

 みなさんの勤務先は、毎月の給料から所得税を天引きしています。これを「源泉徴収」と言い、その金額を「源泉徴収税額」と言います。給与明細に載っています。

 理由は割愛しますが、退職すると、ほとんどの場合、納め過ぎになっているので、確定申告をしましょう。転職した場合は、転職後の会社が年末調整をしてくれるので、還付申告が不要な場合が多いと考えられます。

2:マイホームを購入し、住宅ローンがあるとき

 「住宅ローン控除」を受けるために、確定申告が必要となります。

3:災害や盗難などで資産に損害を受けたとき

 災害や盗難に遭うと「雑損控除」や「災害減免法の所得税の軽減免除」を受けられる場合があります。水害や震災、バイクや財布の盗難などがあった場合は、制度を調べてみましょう。

4:多額の医療費を支出したとき

 生計が一緒の家族の年間の医療費が10万円を超えると、「医療費控除」が受けられます。所得が低い人は、10万円を超えていなくとも受けられます。

5:特定の寄附をしたとき

 寄附やふるさと納税をしたときは、寄附金控除が受けられます。なお、ふるさと納税をしたのが5カ所以内で「ワンストップ特例」を受ける場合は、確定申告は不要です。

 これらの理由で還付が受けられる場合は、確定申告をしましょう。自宅から、スマホかパソコンで行うのがおすすめです。ちなみに、前回、ぼくはiPadで確定申告をしました。

 一方で、納税になる場合も確定申告が必要です。

納税になる場合

 例えば、会社員やパート・アルバイトでも、副業をして年間の利益が20万円を超えていれば確定申告が必要です。「利益」なので、受け取ったお金から経費を引くことができます。毎月もらっている給料からは経費が引けないので、やや考え方が異なることにご注意ください。

 働き方改革によって、副業・兼業が推奨され、空き時間で本業と異なるお仕事をしている方も多いと思います。しっかりと年間の利益を計算し、確定申告に備えましょう。

 また、本業以外の仕事でもらったお金が、「給与所得」になるか「雑所得」になるかで、申告の内容が異なります。「給与明細」や「源泉徴収票」をもらった場合は給与所得、支払明細や支払調書をもらった場合は雑所得になることが多いと思います。ただ、みなさんの受け取ったお金がどのような所得区分になるのかは、個別に判断しなければいけないので、よくわからない方は税務署や税理士さんに確認してください。

 確定申告期間は、3月15日までです。電話での相談もできますので、密にならない方法で、確定申告を済ませましょう。

確定申告

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