定時で帰ろうとする部下、終わらない仕事を「俺がやっておこう」はパワハラ? 時代に適応したい“恐竜部長”の漫画が物悲しい(1/2 ページ)
時代の変化にとまどう部長のはがゆさ。
時代の変化に適応しようと頑張るも空回りしてしまう中年部長の悲哀――。世代間のギャップをコミカルに描く漫画「ティラノ部長」を紹介します。
54歳のティラノ部長は入社32年目になるベテラン社員です。若手の頃は「この仕事を命がけで成功させんだよー!」と仕事への情熱を周囲にまで伝播させ、大学で培った体育会系の精神で出世街道を歩んできました。
それから30年ほどたち、名実ともにリーダーとなったティラノ部長ですが、若手社員の働く姿勢に戸惑いを感じます。いそいそと帰り支度を始める若手社員に、その日提出を求めていた資料について尋ねると「明日やろうかなと…」と予想外の返事。
こんな時、ティラノ部長の若いころならば「よし! 終わるまで一緒にやるぞ!」と上司が激励し、部下も「部長!」と笑顔で返事していました。仕事が終わるのは夜中の1時で、その後は一緒に焼肉なんてことも……。
そんな“理想の関係”を想像をしながら、口には出さず「よーし! 残りはオレがやっておこう」と部下の仕事を引き受けようとするティラノ部長。それは彼なりの“今風”の優しさでしたが……。
ティラノ部長のフォローは逆に若手社員を萎縮させてしまいます。すると部長と若手の間をつなぐ草食系37歳プテラ課長が「部長〜まずいですよ」と一言。「オレがやる」は才能を否定する言葉だからパワーハラスメントになってしまうのだと説明します。
プテラ課長は「明日やればいいよ 今日は帰りなさい」と手本を見せ、若手社員も感動したように「プテラ課長! ありがとうございます」と納得。その様子を見ていたティラノ部長は、取り残されたように「正解ってなに…?」と困惑するのでした。
漫画には、変化に馴染む難しさに想いをはせる感想や、デフォルメされた“中年像”に愛着を感じたという声が寄せられました。
「ティラノ部長」は放送作家の鈴木おさむさんが原作、漫画家のしたら領さんが作画を担当したシリーズ作品。大塚を舞台に、90年代にバリバリ仕事していた会社員が50代の部長になり、時代が変わってしまった中を生きていく悲哀を描いています。cakesのティラノ部長の連載ページでまとめて読めるほか、最新話を鈴木おさむさんのインスタグラムで更新中です。
画像提供:したら領(@shitara_ryo)さん
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