「変身する」消毒液のボトルがTwitterで人気に 秀逸なデザイン、開発経緯をメーカーに聞いた
お店の棚で目立ちやすく、購入後ラベルをはがせば落ち着いた調子になる、二段構えのデザイン。
「ウイルス 細菌に効く」と分かりやすく書かれたラベルをはがすと、ボトルがシンプルで落ち着いた調子に変身。デザインに2面性のある消毒液が、秀逸なアイデアだと注目を集めています。
話題の商品は、衛生用品メーカーのサラヤが手がける手指消毒用アルコール「ハンドラボ」。初期状態は商品の内容が明白で目に留まりやすく、ラベルをはがしたあとはシンプルで部屋になじみやすく、それぞれに長所があります。
この仕掛けは購入者のツイートがきっかけで広く拡散。「買うときは分かりやすいし、買ったあとはおしゃれだしありがたい」「うるさいパッケージデザインは苦手だけど、これなら買える」「小さい子どもがいる家では、ラベルをはがさないほうが分かりやすくて安全」など、さまざまな反応を呼びました。
編集部はサラヤを取材し、デザインが生まれた経緯を聞きました。
―― このデザインを採用した理由は?
サラヤ 以前の「ハンドラボ」は性能を分かりやすく消費者へ伝えるため、訴求ポイントを大きく明記したパッケージデザインを採用していました。その結果、性能を重視する多くの消費者に手に取ってもらうことに成功したものの、消費者調査の結果、デザインには満足いただけていないことが分かりました。
そこで、店頭では性能をアピールしつつも、購買後は感染対策のために手指消毒をしっかりしていただけるよう、いつでも手の届くところに置いていただくことを想定し、生活のシーンになじませるデザイン性を持たせることを考えました。その結果生まれたのが、店頭と家庭内でデザインが変わる「変身ボトル」です。
―― SNSで話題となっていることはご存知でしょうか
サラヤ Twitterで見た社員が数名おりまして、2月1日から社内で話題となっておりました。それだけ大きく拡散されていることに、驚いているのが正直な感想です。
―― 購入者の反応はいかがでしょう
サラヤ 実はパッケージよりも、品質についてお声をいただくことがほとんどです。「医療施設でも使われている品質だから安心して使える」「高濃度アルコールなのに手が荒れにくい」といった声をいただいています。
1952年創業のサラヤは、食品関連や福祉・医療施設など、厳しい衛生対策が求められる現場の感染対策に取り組んできた老舗。「コロナ禍により、家庭でも手指消毒が必須となりましたが、まだまだ感染症は収束していません。少しでも多くのかたに、感染対策を行っていただけることを期待しています」と語りました。
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