死ぬことのできない男が、さまざまな人たちと出会い、別れを経験しながら故郷へ向かう――。そんな漫画がTwitterに投稿され、切なくも美しい物語に胸を打たれます。
あるところに、脳を防腐加工され、身体が腐っても生き残れるように改造された男がいました。男の名はクレイ。死体のパーツを自分の身体に継ぎ接ぎしながら生きてきましたが、そんな生活に限界を感じつつありました。そんなときに彼が出会ったのは、輝くような瞳が美しい少女・リブ。彼女はクレイに対して、死んだ相手の名前を覚えて「いろんな場所に連れていってあげて。それが彼らへの恩返しだから」と語ります。
場面は変わり、あてのない旅に出たクレイは、おてんば娘のダリアや、引きこもりの青年・ディラノと出会います。彼女らとの出会いを通して、クレイは「故郷に帰る」のを目的に、旅を続けることにしました。
長い旅を経て、クレイがある場所にたどり着いたとき、この星は終末を迎えようとしていました。隕石が降り注ぐ中、見知らぬ老人と出会ったクレイは「この景色を見るために生きてきたんじゃないかと思うよ」とつぶやきます。そして老人に「きれいな目をしているな」と言われると、「…だろ?」と応じました。
クレイは、ひび割れた大地に向けて「海辺に住んでたはずだったんだけどな、ただいま」と呼びかけます。「皆、覚えて帰ってきたよ」と言って、彼は自分の身体を見つめました。
自らのほっそりとした腕を眺めて「ダリア、とんだおてんば娘だった。この傷、俺が作ったんじゃないぜ」と言い、たくましい足を踏みしめて「ディラノ、引きこもりだったのに立派な男になりやがって。この足には助けられたよ」と感謝します。そして目の前の光景を見て、「リブ、キラキラした目で俺を見つけた。見えるだろ、この景色。ありがとう、旅に出て良かったよ」と語り掛けます。そう言う彼の瞳は、キラキラと輝いていました。亡くなった仲間たちの身体をもらって、彼らの思いと共に旅を続けたクレイは、ついに故郷へとたどり着いたのでした。
この漫画にネット上では、「言葉に言い尽くせない美しさがある…」「出会いと別れ、そして継承のお話だろうか。確かにきれいだ」といった声が寄せられました。
この漫画「Neuroventure」を公開したのは、TwitterユーザーのNoniさん(@fullmoon_Noni)。こちらはまじかるさん(@turumazi)とのネーム交換漫画で、Noniさんは作画担当でした。ちなみに、このときNoniさんがネーム提供した漫画は「ブリッジ・カフェ」で、こちらはまじかるさんが作画を担当しています。
画像提供:Noniさん(@fullmoon_Noni)
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