誰だって恐竜はカッコいいと思うはずだ。そして同じぐらい忍者も。じゃあそれを戦わせたら滅茶苦茶カッコいい映画ができるのでは? そんなおもいつきをマジで実現してしまった作品が4月8日にリリースされた。その名も「必殺!恐竜神父」だ。
あらすじはこうだ。
敬虔な神父であるダグは自動車の爆発事故で両親を失い、傷心の旅で中国を訪れる。そこで忍者に追われる謎の女性から牙の化石を受け取るが、その牙は人間を恐竜に変身させる力を秘めていた。強大な力を得たダグは娼婦キャロルと協力し街のために悪人退治を始めることとなる。彼らは悪党たちとの戦いの末にチャイニーズ・ニンジャ軍団が全ての黒幕だと知る事になるが……。
意味が分からない? 当然だ。日本語字幕を担当した私ですら意味が分からない(従ってこの記事は翻訳者によるダイレクト・マーケティングでもある)。だが本編はもっとすごいのだ。なぜ神父が恐竜に変身するのか? なぜ中国に忍者がいるのか? なぜ忍者は恐竜神父と戦うのか? そんな疑問は「必殺!恐竜神父」の本編を前にすれば些細なものにすぎない。
冒頭から襲い来る衝撃のVFX(視覚効果)に、まずめまいを覚えるはずだ。恐竜に変身するという「大いなる力」を手に入れた神父ダグが、最初こそその力を持て余すものの、最終的には殺りくマシーンに変貌するというガバガバな脚本にも魅了されることだろう。あまりにもアメリカナイズドされたチャイニーズ忍者たちも必見である。
どうせいつものZ級映画だろうと高を括ったそこのあなた。確かに配給会社はあのコンマビジョンだ。昨年から「ランドシャーク 丘ジョーズの逆襲」や「スノーシャーク 悪魔のフカヒレ」を日本市場に流入し、つい最近も「ウィジャ・シャーク 霊界サメ大戦」をリリースして忍耐強いといわれる日本のサメ映画ファンをぶちのめしてきたあのコンマビジョンだ。だが待って欲しい。「必殺!恐竜神父」は違うのだ。アメリカ本国でのウケ方を知れば少しは視聴に前向きになってくれるはずだ。
例えばForbes誌は「シャークネード」や「ザ・ルーム」と並び称して絶賛し、ハリウッド・リポーターもその人気に迫る記事を書き、アメリカの大手ホラー映画サイトであるドレッド・セントラルやブラッディ・ディスガスティングもいち早く注目していた。極め付きは(例え一瞬であろうと)アメリカのAmazonプライムで人気急上昇作品1位を獲得した事だろう。
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