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桜玉吉『伊豆漫玉エレジー』が本日発売、還暦を迎えた玉吉先生と担当のプチ対談をお届け 「お元気ですか?」「元気じゃないよ(笑)」(1/2 ページ)

いつかインタビューもさせてください……。

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 桜玉吉の最新刊『伊豆漫玉エレジー』(ビームコミックス)が、本日4月12日に発売されました。実は『しあわせのかたち』時代からの桜玉吉ファンである筆者(ねとらぼ副編集長)は、新刊が発売されるたびに「玉吉先生にインタビューしたい」とコミックビーム編集部に頼み込んでいたのですが、今回ついにちょっとだけ念願がかない、玉吉先生と現担当・高橋さんによるプチ対談をお届けできることになりました。直接インタビューについてはまた次のチャンスに……。


伊豆漫画玉エレジー 『伊豆漫玉エレジー』(ビームコミックス)

 2017年の『伊豆漫玉日記』から始まった『伊豆漫玉』シリーズも今回で3冊目。三鷹の漫画喫茶暮らしから一転、伊豆の一軒家へと居を移した玉吉先生の、悲哀に満ちた日常が今回も描かれます。併せて、『週刊ファミ通』掲載の4コマ漫画「読もう!コミックビーム」もまとめて収録。掲載エピソードは2018年夏〜2020年冬ごろまでのもので、後半では新型コロナウイルスや緊急事態宣言の話題も出てきます……が、なんせ伊豆の山奥暮らしなので、影響はあるようなないような……。

 プチ対談では恐らくファン全員気になっているであろう「元気ですか?」といった質問に始まり、還暦を迎えた感想や、「読もう!コミックビーム」が始まったときのこと、もうすぐ定年を迎えるO村元編集総長へのメッセージなどの話題も。併せて『伊豆漫玉エレジー』の一部試し読みも掲載していますので、ぜひ紙と電子版両方買って玉吉先生に印税を送りましょう。




伊豆漫画玉エレジー 2018年のクリスマスの惨劇を描いた「参クリスマス」より

伊豆漫画玉エレジー ねとらぼ用にイラスト&コメントもいただきました!

「なしくずしのまま生きてきているので、このままなしくずしのまま死んでいく」


高橋

2年ぶりのビームコミックスの新刊、お疲れさまでした! まずはファンのみなさん気になっていると思いますが、お元気ですか?


玉吉

元気じゃないよ(笑)。とにかく腰が痛くて、何かの拍子ですぐ腰が痛くなるの。車でバックするときにひょいっと後ろ向いたらそれでおしまい。年寄りは自分の身体を信用しちゃダメだね。


玉吉

この辺(伊豆)も年寄りだらけだから運転は特に気を付けてるよ。一本道だとみんな必ず真ん中走ってるからね。すれ違うときにどうよけるのかなと思いながらそーっと近づいても全然どかないの。それで1回完全に事故っちゃったし、数センチでセーフだったときもあったね。



伊豆漫画玉エレジー 56ページ「まただ!」より


高橋

ご病気じゃなくて物理的な命の危険の方が多いんですね(笑)。そういえば先週免許の更新で東京にお越しになったようですが、久しぶりの東京はいかがでしたか?


玉吉

免許更新のハガキをなくしちゃって、ダメ元で免許センターに行ったんだけど、まだ営業時間内のはずなのに「ハガキがないならもっと早くこなきゃダメ」って追い返されちゃった。で、久しぶりに漫画喫茶に泊まったよ。


高橋

しばらく生活されていた漫画喫茶ですか!?


玉吉

そうそう。昔の顔なじみにも会えたけど、漫画喫茶にはいろんな人生ドラマがあるのよ。ここで話せないハードなドラマを聞いちゃったよ。


高橋

(こっそり聞いたところ)ガチでハードな話じゃないですか! そ、そっと胸の内にしまっておきます……。


高橋

さて、今年ついに還暦を迎えられましたが、お身体に変化はありましたか?


玉吉

巻き爪! 50代後半くらいから、爪という爪のサイドが巻くようになって、食い込んで痛いのよ。どうも母親からの遺伝っぽいけど。


高橋

そりゃまた変化球ですね(笑)。年齢の変化といえば、今回公式Twitterで先生のお誕生日について投稿した際に、30年来のファンの方から「ついに僕もちん毛が白くなりました」とコメントをいただきました。私も記憶に強く残っているエピソードです。


玉吉

確かにあまり世の中に「年取るとちん毛が白くなる」って伝えてる人はいないか(笑)。日記漫画を描き続けていると、そういうことも伝えられると思うと意義があるね。


高橋

そもそも「読もう!コミックビーム」がこんな長く続くと思っていましたか?


玉吉

思ってるわけないじゃん(笑)。ファミ通自体どこまで続くのかなって心配だったのが今でも続いているけど、そこから派生しているコミックビームなんて長く続くと思うわけないよね。「読もう!コミックビーム」はもともと何かの原稿をアップしたついでにぱぱっと広告漫画を描いただけで、厳正に発注された記憶すらないよ(笑)。


高橋

なしくずしだったんですね。


玉吉

人生全て、なしくずしだよ。なしくずしのまま生きてきているので、このままなしくずしのまま死んでいくんでしょう。


高橋

やめてくださいよ! 原稿とりに伺ったらムカデにたかられた腐乱死体発見しちゃうなんて、僕、嫌ですよ?


玉吉

だってそれが本望だし、きっとそうなるよ。積極的に人生を選択するのではなく川の流れのように生きてるからね。


高橋

僕がそんな目に遭いたくないので長生きしてください。そして今回編集担当がO村元編集総長から僕にバトンタッチしましたけど、やりづらい点はありましたか?


玉吉

そりゃプリウスでしょう。本当にまったく音もなくやってくるんだもの。O村さんの時は車が近づいてくるとエンジン音で気づいて心の準備ができるのに、予告なしに突然ピンポンから始まるから本当に心臓に悪い。プリウスで来るのやめてくんない?



伊豆漫画玉エレジー 99ページ「山はとても」より


高橋

そんなわけにはいかないですよ! タクシーで来て玉吉さんが不在だったら、そのまま山奥で遭難じゃないですか! ちなみに予告はメールで散々しています!


玉吉

そっか、メール見ろって話だね(笑)。


高橋

仰る通りです。ちなみにそんなO村さんへ贈る言葉はありますか?


玉吉

くれぐれも車の事故だけには気を付けて〜。免許取ったのも遅いし、取ってからの事故数も異様に多いでしょ? 結構安全そうに運転してるのに、なんか変なんだよタイミングとか。周りの空気に合わせることがもともとできていない人だから、人生的にも。


玉吉

職場内は事故っても少し恨まれるだけで済むけど、車社会で空気読まないと死ぬからね。そういう星のもとに生まれた人なんだろうけど。長生きしてください。


高橋

ありがとうございます(笑)。それでは最後に読者のみなさんへ一言お願いします。


玉吉

長生きしてください(笑)。若い読者がいないので、一蓮托生で長生きして本買ってください。



伊豆漫画玉エレジー 67ページ「伊豆に」より


伊豆漫玉エレジー(Kindle版)


伊豆漫玉エレジー(コミック)



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