在日ジョージア大使館は4月8日、「ジョージアに関する正しい認識をお願いするための声明」をTwitter上で発表しました。同声明において大使館は、自国が独立した国であり、ロシアや旧ソ連の影響下にある存在ではないという認識を持ってほしいとコメントしています。
声明では、近年の世界の動きとして国際的な垣根が低くなっており、それによりかえって自国の伝統的な文化が際立ってきたこと、そしてそれを大切にしたいという思いを表明。そして2015年に日本での呼称を「グルジア」から世界標準の「ジョージア」に改めたことに触れ、情報化社会だからこそジョージア文化を正確に伝えたいと、今回の発表に至った意図を説明しています。
この声明に対して、ネット上では、「コロナ禍が落ち着いたら、ぜひ訪れさせていただきたい国です」「僕の中でジョージアと言うと白いご飯に合うおかずを日々探し求める日本人にシュクメルリという最高のアイテムを教えてくれた国です」といった応援の声が寄せられています。在日ジョージア大使館に、声明を発表した背景を聞きました。
――今回の声明を発表したことに対する反響はいかがですか?
主にTwitterでの反応ですが、学術的な意味で「確かにその通りだ」と反応を示していただいたのはもちろんありがたかったですし、その他に「涙が出てきた」など、われわれの問題が日本の方の心に届いたことが分かる反応をうかがえたのが何よりありがたかったです。
また、ジョージアに行きたいといったコメントも非常にうれしかったです。観光ができない中でも、ジョージアを思ってくれる人が思っていたよりも多かったというのが正直な感想です。ちなみに、こちらは臨時代理大使自身が書いた文章であったため、本人は全てのコメントに目を通したようです。
――以前、テレビでジョージアが紹介された際にロシア国歌が流れたこともありました。そういった事象が積み重なったために声明を出されたのでしょうか。詳しい経緯を教えてください。
その通り、この1年間に実はテレビで2回、そのようなことがありましたが、今回は旅行会社がジョージアを紹介する動画の挿入部分で「Discover Russia」と記載されたのが一番の理由です。臨時代理大使のTwitterでこの件を取り上げています。当館から抗議をしたところ、動画はおわび文に差し替えられたそうです。
また、具体的なこのような例以外にも、声明で発表した通り、実はまだまだジョージアはロシアの影響に支配されたものと潜在的に捉えている人が多いのではないかと感じる場面が時々あることも、このような声明に至った原因です。したがって一番の目的は、再発の防止ならびに人々の認識を変えることです。
――ジョージアは近年、「シュクメルリ」やワインなどで知名度が上がってきているように感じます。そうした動きを受けて、より理解を深めてほしいということでしょうか?
今後、ジョージアの知名度がより上がるよう願っていますが、そのときにはまたさらに課題も出てくるはずです。今後も必要に応じて、日本の皆さんに向けた広報活動を行っていきます。
――最後に、読者に伝えたいこと、今後の展望などを教えてください。
皆さまのジョージアに対する注目が、われわれにとって最もありがたいことであります。ジョージアと日本は共感しあえることが多く、これからもさまざまな方向で、新たな価値を築いていきたいと思います。これからも皆さまの期待に応えられるよう、ジョージアに関するさまざまな話題を提供していきます。
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