人と一緒にご飯を食べようとすると、緊張や震え、吐き気が起こる会食恐怖症。そんな症状に苦しみ、解き放たれるまでの実体験を描いた漫画に共感が集まっています。
小学校1〜2年生のころ給食を食べるのが遅かった、作者の最上うみみ(@umimin_214)さん。原因は怖い担任の先生でした。もともと食べるのが遅かったところへ、早く食べるよう厳しく急かされ、恐怖から動きが固まる緘動(かんどう)の症状が出てますます食べられない状態に。吐き気まで催すようになります。
学年が変わって担任が「残してもいい」という先生に変わると、給食を食べられるように。しかし、友だちの家でごちそうになるときなど、「残せない」「自分で量を選べない」という状況下では、猛烈な吐き気に襲われていました。
それ以来、最上さんは、食事の量をコントロールできない状況や、プレッシャーで残しづらい環境を避けるようになりました。高校生になると給食からお弁当になったこともあり、食事に関する恐怖を感じずに過ごせるように。
そんな中、短期のバイトをしたときに、最後日に仲の良い社員に食事に誘われます。せっかくおごってくれているのだから残せない、とプレッシャーで吐き気を感じてしまいました。そんな様子を見て彼女が言ってくれたのは、「量が多かったら全然残していいからね」。その言葉で吐き気が収まった最上さん。「美味しいものを楽しい時間と共にいただく」ことのステキさを教わったように思え、会食恐怖もなくなっていきました。
最上さんの投稿には「わかる」「自分もそうだった」と同じ経験をした人から多数声が寄せられていました。特に給食を完食することを求められるのがつらかった人が多いようです。
漫画を読んで会食恐怖症を初めて知ったという声も。残さないで食べるよう子どもに言っていた人からは、「考えさせられました」とコメントが寄せられています。最上さんは、食べてほしいという親の気持ちに共感し、残さず食べるのは大事なことだと思うとした上で、「私のような度を越えた躾を受けると会食恐怖症を発症しやすいみたいですね」と回答しています。
最上さんは、幼稚園で厳しい先生が担任となったことにより、場面緘黙(※)や緘動の症状に苦しんだことも漫画化し、投稿しています。
※場面緘黙:家庭ではごく普通に話すのに、幼稚園・保育園や学校などの社会的な状況で声を出したり話したりすることができない症状が続く状態のこと(出典:かんもくネット)
作品提供:最上うみみ(@umimin_214)さん
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