【独自】オンクレ大手で特定客への“えこひいきサービス”発覚 「クレーンゲーム鑑定団NEO」運営会社を取材(1/2 ページ)
【動画】一部の顧客に対してのみ、通常は行っていない“特殊なアシスト”を行っていたことが分かりました。
オンラインクレーンゲームサービス「クレーンゲーム鑑定団NEO」が、特定のプレイヤーに対してのみ、プレイ途中に「獲得する景品を既定の箱ものから発泡スチロールへと変更して難易度を下げる」「通常は行っていない“特殊なアシスト”を行う」といった不平等なサービスを提供していたことがねとらぼ編集部の取材で分かりました。運営会社と関係者を取材しました。
「クレーンゲーム鑑定団NEO」は、ポイント購入により、実在するクレーンゲーム機をオンライン上で24時間遠隔操作できる「オンラインクレーンゲーム」で、毎月1000種以上の景品を投入するなどのサービスで近年注目を集めています。
2021年3月ごろから、一部のプレイヤーがTwitterやYouTubeで「オンクレ史上最強のアシストを見た」と、「クレーンゲーム鑑定団NEO」のスタッフから“特殊なアシスト”を受ける様子を動画で投稿し始め、他のプレイヤーから「えこひいきなのではないか?」との声が上がっているほか、運営会社から問題が公表されていないことについて不信感を抱く声が上がっています。
いきすぎたアシスト?
実店舗や一部のオンラインクレーンゲームでは、一定数のプレイを重ねると店舗側(運営側)から、景品を獲りやすくなるような位置に景品を移動させる等の「アシスト」が提案される場合があり、「クレーンゲーム鑑定団NEO」でもこの「アシスト」サービスが売りの一つになっています。
しかし、今回の話題になっている“特殊なアシスト”では、「箱を落下させられたら景品GET」という設定台で、スタッフが途中から既定の箱から発泡スチロールにすり替える難易度変更が行われていたほか、景品にアームが触れる前にスタッフが手で景品を落下させるといった行き過ぎたアシスト、過剰すぎる景品獲得演出などが特定のプレイヤーに対してのみ行われていました。
プレイヤー「変なアシストがあったことは事実」
ねとらぼ編集部では、「クレーンゲーム鑑定団NEO」から過剰なアシストを受けたプレイヤーに接触。取材を申し入れました。
――過剰なアシストがあったのは事実ですか。
該当プレイヤー:2021年のはじめごろから驚くようなアシストや変なアシストが発生していたことは事実です。
――特殊なアシストを受けることになったきっかけはありましたか。
該当プレイヤー:私から「早く景品が獲れるようにアシストしてください」というお願いをしたことは一度もありませんし、明確なきっかけについては分かりません。
――特殊なアシストの様子をTwitterやYouTubeに投稿したのはなぜですか。
該当プレイヤー:私自身はそのようなアシストを不快に思っていませんでしたし、アシストの動画を投稿すれば、「クレーンゲーム鑑定団NEO」の公式Twitterから“いいね”がきたり、リプライが来ていたので、単純に「面白いアシスト演出があること」を紹介した感覚でした。
――なぜ該当プレイヤーさんにだけ特殊なアシストが実施されたのでしょうか。
該当プレイヤー:私以外にも同様のアシストを実施していた期間があるようなのですが、複数回のプレイを重ねて景品が獲得できないという状況で、あのようなアシストや過剰すぎる獲得演出をされたら気分を害するプレイヤーもいたようで、結果的にはアシストについて積極的にツイートしたり、動画投稿をしていたりした私に注目が集まり、特殊アシストの内容がエスカレートしていったように思います。
――特殊なアシストについて、一部のプレイヤーには運営会社が「スタッフ個人とお客様個人によるやり取りがあった」ため発生したかのように説明しているのですが、該当プレイヤーさんとスタッフは知り合いですか。
該当プレイヤー:運営側のスタッフの連絡先は知りませんし、面識もありません。私が運営しているYouTubeで「クレーンゲーム鑑定団NEO」を取りあげる際には、公式TwitterにDMを送るなどのやり取りはありましたが、個別のブースでの問い合わせを送ったことなどもありません。
――他のプレイヤーに比べるとアシストが早めに行われていた可能性はありますか。
該当プレイヤー:2020年10月から月に数万円〜数十万円程度「クレーンゲーム鑑定団NEO」に課金しているので、「そろそろアシストされる」というのは肌感覚で分かるのですが、ほかのプレイヤーと比べてアシストが早いということはないと思います。
――特定のプレイヤーにだけ特殊なアシストがされていたことについて「えこひいきなのではないか」という指摘もありますが、その点についてはどう感じますか。
該当プレイヤー:運営会社からも同様の説明と謝罪、今後は特殊なアシストを特定のプレイヤーに行わない旨の説明がありましたので、そのような声が上がっていることは把握しています。しかし、個人的には、どんなことに対しても完全な公正・公平を提供することは難しいと思っています。例えば、馴染みの店で何かがサービスしてもらえたときに、初来店のお客さんがそのやり取りを見て文句を言ってくるというのはおかしいじゃないですか。それは、常連だから特別にサービスを受けられるのであって、店舗側も良かれと思ってやっていることなわけですから、当事者以外の方がなぜ介入するのかと。
今回の騒動についても似た部分があると感じていて、スタッフさんとしては、おそらく僕に楽しんでもらおうと良かれと思ってやってくれたことじゃないかと受け止めています。でも私がそれを広めてしまったから、無関係の人たちが騒いでしまい、結果的にスタッフさんも責められていたとしたら腑に落ち切りません。
オンラインクレーンゲーム業界が「無法地帯」とも揶揄されている中、不具合の対応等も含めてサポートが厚く、景品獲得に関するアシストも規定回数になればしっかり実施してくれるなど、「クレーンゲーム鑑定団NEO」には良いところがたくさんあるので、これからもがんばってほしいと思っています。
運営会社「(アルバイトが)特定のお客さまにのみ、通常では行われない対応」に及んだ
こうした状況について、ねとらぼ編集部は「クレーンゲーム鑑定団NEO」を運営する神成(シンセイ)に取材を申し入れました。
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