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Twitterで投げ銭をもらったら税金はどうなるの?

Twitterが投げ銭機能「Tip Jar」をスタートしました。まずは、英語圏のユーザーを対象としたテストの段階ですが、投げ銭を受け取った場合、税金はどうなるのでしょうか。

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 2021年5月7日、Twitterでチップを送金できるようになりました。現在チップを受け取れる人は、英語圏の中でも一部の人に限定されていますが、今後はグローバルでサービスが提供されるそうです(関連記事)。

 Twitter社は「Twitterでの会話を通して、フォロー、リツイート、いいね以外の方法で、皆さんがお互いにサポートし合える仕組みを提供したいと考えています」と発表しています。

 投げ銭といえば、InstagramやYouTubeでは既に実装されていますね。ただし、投げ銭を受け取るには条件があります。どちらも試しましたが、YouTubeでは1年以内の再生時間が4000時間を超えていないため機能が使えず、Instagramでは30分程度の配信を行ったのち「次回から投げ銭機能が使えます」といった意味のメッセージが表示されました。Twitterでも投げ銭には何かしらの条件が付加される可能性があります。さて、投げ銭を受け取った時の税金はどうなるのでしょうか。

さんきゅう倉田コラム 筆者・さんきゅう倉田。東京国税局を退職し、現在は芸人

配信をしなくとも受け取れるTwitterの投げ銭

 どうやら、Twitterの投げ銭機能は配信を前提としていないようです。プロフィール画面に新たなボタンが追加され、そこを押すと他人が送金ができる仕様です。だから、何もしなくともお金をもらうことができます。そうすると、配信というサービスを提供してお金をもらうのと、取扱いが異なるように思います。

 新たなサービスが提供された時、その課税関係がどうなるのかいつも考えています。タイミングが合えば、複数の税理士さんと話し合います。そんなとき、誰も「これは絶対○○ですね」と断定しません。「○○じゃないですかね?」とぼんやり意見します。断定できるものではないし、個別の事案によって取扱いが異なることがあるからです。

 例えば、「会社員が副業していたらどうなりますか」と聞けば、「給与でもらっていますか? 報酬ですか? 雑所得に該当するものだったら、利益が20万円までなら確定申告不要ですよ」などと言うことができます。

 しかし、投げ銭機能の仕組みを理解せずに、取扱いを断定することは難しい。何もせずに投げ銭機能を経由してお金をもらったのなら、贈与や一時所得に該当するかもしれないし、何かをして対価として受け取ったのなら雑所得や事業所得になるかもしれない。

 そこから、「一時所得なら年間50万円の控除があるなあ」とか「会社員だから、年間10万円くらいの投げ銭をもらっても雑所得として確定申告不要だなあ」などと判断していくことになります。

 一概に、「投げ銭は△△だ」と判断できない。だから、普段からお金や税金のことを勉強して、税務署や税理士さんに相談できるようにしておきましょう。何も分からない人は相談すらできない。せめて、他人に相談できるくらいの知識があれば、大抵のことは解決すると思います。

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さんきゅう倉田

大学卒業後、国税専門官試験を受けて東京国税局に入庁。法人税の調査などを行ったのち同退職、芸人となる。芸人活動の傍ら、執筆や講演で生計を立てる。好きな言葉は「増税」。公式サイトTwitter


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