照林社が発刊する看護専門情報誌『エキスパートナース』の物語を感じる表紙から目が離せないとTwitterで話題になっています。
表紙に登場するのは新人看護師らしき女性のイラスト。2021年4月号は桜の花びらが散る中、緊張した面持ちで前を見据えており、その傍らでは先輩看護師が笑顔を向けているのが印象的です。
続く5月号は患者を乗せたストレッチャーを率先して引いており、6月号では朗らかな表情で患者の話を聞く様子が描かれています。この3カ月で頼もしく成長している……!
さらに、6月21日発売の7月号では、オンとオフをしっかり切り替え、のんびりと休日を満喫する姿が。照林社・営業部がTwitterアカウント(@shorinsha)で「自分の会社の雑誌なのに、この新人看護師がこれからどのように成長していくのか、たまらなく気になっている。」とつぶやき4月号から7月号の表紙を紹介したところ、1万いいねを超えSNS上でも注目が集まっています。
『エキスパートナース』は2020年4月号以降、「お年寄りが乗った車いすを押す看護師」「病室でクリスマス会を楽しむ女の子」など、医療現場で実際に起こっていそうなシーンをイラストにした表紙を採用しています。思わず手に取ってみたくなる表紙はどのように生まれたのか、編集部に話を聞きました。
── 2020年4月号から物語性のあるイラストを採用したり、2020年4月号以降は同一の新人看護師が表紙に登場したりしている理由について教えてください。
編集部:2020年4月号から新井陽次郎さん(※)にイラストをご依頼しています。特集の内容に合わせて実際の看護現場をイラストにしていただき、読者である看護師の皆さんを応援したい気持ちを込めています。
※新井さんはアニメ映画「ペンギン・ハイウェイ」のキャラクターデザインなどを手掛けたアニメーション監督・イラストレーター
特に2020年6月号(5月20日発売)は、新型コロナウイルスで先が見えないなかで、看護師の皆さんが最前線で立ち向かわれていることに敬意と感謝を示したいと思い、新井さんにイラストをお願いしました。とても反響の大きかったイラストです。
また、2021年4月から続いている新人看護師を表紙にしたイラストは、担当している新井さんのアイデアです。
── ストーリーはどのように決めていますか。
編集部:編集部から「読者にどんなことを伝えたいのか」と、場面の候補をイラストの新井さんに伝え、新井さんのほうで形にしていただいています。基本的に特集の内容やその時の社会の流れ、季節と合わせて毎月の場面を考えています。毎月、編集部が想定した以上に場面が伝わるイラストにしていただいており、イラストが届くのをとても楽しみにしています。
── 読者からはどんな反響がありましたか。
編集部:「表紙のイラストが好きだ」という声をたくさんいただいています。「大変な仕事だけど、表紙の絵のように笑顔で働きたいなと思った」「仕事頑張ろうと思えた」などの声をいただいており、表紙を通して元気になってもらえているのなら、編集部の応援したい気持ちが伝わっているのかなと思い、とてもうれしいです。編集部のこうした思いを新井さんが伝わる絵にしていただき、毎月感謝の気持ちでいっぱいです。
『エキスパートナース』2021年7月号は、医師兼漫画家の森皆ねじ子さんによる「シン・ねじ子のヒミツ手技 新型コロナワクチン副反応編」や「高齢者施設での新型コロナウイルス感染症への対応」「ナースの共感疲労解決法」などコロナ禍における医療現場の最新情報を特集しています。定価は1200円(税込)でAmazon.co.jpや楽天などで予約を受け付け中です。
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