「糸を通さなくてもいい針がある」ことを知って驚く2コマ漫画がTwitterで反響を呼んでいます。この便利な裁縫針についてメーカーに聞いてみました。
話題を呼んでいるのは漫画家の石蕗こはな(@tsuwakoha)さんがTwitterに投稿した漫画。「裁縫は嫌いじゃないんですけど針の糸を通すのが大変なんですよね」と言う石蕗さんが、穴に通す苦労のない針があると担当さんに教えられて驚く内容となっています。針のくぼみに糸をのせて糸を引き下ろすだけで、糸が裁縫針に通る作りです。
リプライ欄などには「良いなぁ!」「老眼鏡つけて四苦八苦してたのに……!」「自らの物の知らなさに震える」などのその便利さを知った驚きの声が多く寄せられています。
この針は「セルフ針」や「ワンタッチ針」などの名称で販売されています。「セルフ針」を販売する手芸用品大手のクロバーに開発のいきさつや使い方について聞いてみました。
―― セルフ針はいつごろからあるのでしょうか?
クロバー 1964年(昭和39年)に発売されました。
―― どういう経緯で開発されたのでしょうか?
クロバー アイデア自体はヨーロッパに由来するもので、当時国内でも一部で珍重されていましたが、大量生産ができず一般化していませんでした。
普通の縫い物だけでなく当時流行していたフランス刺しゅうなどにも使用でき、糸通しが難しいお年寄りから糸通しが面倒な若い方まで重宝される針として、クロバーが規格化し、一般普及品として発売しました。
―― 「割れやすい」との声もありますが、使い方のコツは?
クロバー 確かに普通の縫い針に比べると、構造上、針の頭の強度が弱いです。糸を強い力で横方向に引っ張ると針の頭が割れる原因となりますので、優しく扱ってください。
また、糸が抜けやすい場合は、太い針に細番手の糸を使用されているなど糸の太さが合っていないことが要因と考えられますので、糸と針の組み合わせにもお気をつけください。
この針は別名「親孝行針」とも呼ばれているそうで、特に糸通しが難しいシニア層に人気があるそうです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.