「原作者がガチ弁護士」「敵がいきなり漫画村(っぽいやつ)」―― マンガワンでスタートした『弁護士亜蘭陸法は漫画家になりたい』にネットざわつく
漫画村裁判の当事者が原作を担当しております。
マンガワンにて8月13日からスタートした『弁護士亜蘭陸法は漫画家になりたい』(原作:ゆうきまひろ/漫画:武村勇治)が、「原作者がガチの弁護士」「第1話の敵がいきなり漫画村(っぽいやつ)」という展開で、読者の度肝を抜いています。
原作者のゆうきまひろさんの正体は、現役弁護士である中島博之さん。2018年には漫画村の運営者特定や裁判に関わり、最近ではファスト映画(映画の内容を短時間に編集し、権利者に無断でネット上に投稿された動画)に対する取り締まりにも参加しています。ねとらぼでも、これらの著作権侵害問題に関する記事を作成する際に、協力してもらいました。
数々の著作権侵害に対して戦ってきた中島弁護士ですが、しかしあくまでその立場は代理人。それならば原作者として漫画の製作に携われば(著作権を持てば)、直接“当事者”として違法な海賊版サイトと対決できるのでは……。『弁護士亜蘭陸法は漫画家になりたい』は、そんな考えから生まれた作品とのこと。漫画原作者兼弁護士が違法サイトの運営者と直接対決する裁判、傍聴したすぎるな……。
そんな『弁護士亜蘭陸法は漫画家になりたい』の主人公は、タイトルの通り亜蘭陸法(あらんりくのり)という青年。幼いころに読んだ漫画のおかげで大の漫画好きになった陸法は、漫画製作の現場に関わるべく、ベテラン漫画家の凄久盛雄の元でアシスタントとして働き始めます。が、その画力はなんともイマイチ……。凄久先生も周囲のアシスタントも、一向に絵が上手くならない陸法に頭を抱えます。
そこに降って湧いたのが、先輩アシスタントの連載打ち切り。せっかく決まった連載でしたが、読者からの人気はあるのになぜか単行本1巻が全く売れず、2巻が売れなければ即終了に! 単行本売り上げ不振の原因となっていたのが、違法サイト「漫画谷」に作品をアップロードされたことでした。出た! 漫画村! 最悪!!
そこで立ち上がったのが、アシスタントとしてはからっきしな陸法。実は、彼の真の姿は弁護士だったのです。なんだかボンヤリしている陸法ですが、漫画文化自体にダメージを与える違法サイトには激怒! 弁護士としての手腕を駆使して戦うことを誓います。しかし、それって一体どうするの……?
というところで1話はおしまい。2話では漫画谷の運営を特定するべく、サーバーが存在するアメリカへと陸法が飛びます。また、2話では漫画谷運営の想定外な極悪ぶりも発揮されております。
マンガワンでは現在第3話まで公開されており(8月20日時点)、20日からは第2話がちょうど無料に(通常時は要課金)。現役弁護士による実録ドキュメント――のようなそうでもないようなこの漫画、この機会にチェックしてみてはいかがでしょうか。
引用:『弁護士亜蘭陸法は漫画家になりたい』より
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やっぱりたちが悪すぎる。