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京王電鉄は少数派の「1372ミリ」、その理由は……?
京王線(井の頭線を除く)や東急世田谷線は少数派「1372ミリ」の線路幅を採用しています。
1372ミリは明治時代の東京馬車鉄道(後の東京市電、都電)が採用していた軌間です。なぜ馬車鉄道が1435ミリでも1067ミリでもなく、1372ミリになったのかは不明とされます。また、後に決められた「軌道建設規程」で1372ミリは正式な線路幅として採用されないことになりました。
では、なぜ京王電鉄はそんな1372ミリを採用したのでしょう。それは馬車鉄道から同じ線路幅とともに引き継いだ当時の東京市電(後の都電)への乗り入れを考えていたためです。
東急や京成などと異なり、京王線が他社路線との相互直通運転が少ないのは「線路幅の違い」が理由です。その一方で都営新宿線は「逆に都営線側」が京王線に合わせて線路幅1372ミリを採用。新宿を起点に京王線との相互直通運転を実現しています。
最後にもっと狭い「762ミリ」にも触れておきましょう。762ミリは地方で建設された特殊狭軌線や軽便鉄道で用いられました。多くの路線は自動車流通などの時代の波に押され多くは廃止となりましたが、2021年現在も三重県で三岐鉄道北勢線(関連記事)と四日市あすなろう鉄道が元気に走っています。
普段は気にしない「線路の幅」にもいろいろな歴史やロマンがあります。皆さんも十分に気を付けながら線路の幅、観察してみてくださいね。
新田浩之(にったひろし)
1987年神戸市生まれ。関西大学文学部卒、神戸大学大学院国際文化学研究科修了。主に鉄道と中欧、東欧、ロシアの旅行に関する記事を執筆。2018年からチェコ政府観光局公認の「チェコ親善アンバサダー2018」を務める
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