まるで田舎の実家のようなびっくりドンキー1号店の内装が「びっくりした」「行ってみたい」とTwitter上で好評を博しています。
話題のきっかけとなったのは、インディーバンド「simsiis」のなめらかな抱擁(@inunoinori)さんが、「こんな実家感あるびっくりドンキーある?」というコメントと共に投稿した写真。座卓にびっくりドンキーのメニューが置かれた和室の様子が写っています。壁掛けやランプなどの小物もアットホームな雰囲気を醸しており、これは実家みがすごい……!
話題となっている店舗は、岩手県盛岡市内にある「ハンバーグレストランベル大通り店」。びっくりドンキーという名前ではないですが、れっきとしたびっくりドンキーの1号店です。創業当時はこの名前で営業していたため、この店舗のみ記念に名前を残しているそうです。
この投稿に対してネット上では、「すごい!めっちゃ実家感でてる」「超行きたい」「一瞬、化粧台か仏壇かと思ったw」「びっくりドンキーの実家って訳か」といった、好意的な反応や驚きの声が寄せられました。
編集部では、「ハンバーグレストランベル大通り店」の成り立ちや、びっくりドンキーの歴史について、広報担当者に話を聞きました。
――こちらの店舗の内装は開業当時から変わっていないのでしょうか。
担当者:びっくりドンキー(ハンバーグレストランベル)は1968年に1号店が開業しているのですが、実は最初の店舗はあの場所ではないんです。最初は大通り店から400メートルくらい離れた雑居ビルの一室でオープンしました。13坪の狭い敷地でハンバーガーショップとして営業していたのですが、人気も出て手狭になってきたので、1972年に今の大通り店の場所に移転したのです。
大通り店の外観を見ると分かると思うのですが、店舗の右側が少し奥まってるんですね。実は左側がレストランで、右側は民家だったのを、くっつけてベルとして改装したんです。左は洋館のような建物で、右が日本家屋の座敷。これが雰囲気も良かったのでそのまま使わせてもらいましょうということで、今の形になりました。なので72年から今の形で営業しております。
――まさかそんな成り立ちだったとは、驚きました。店内の写真を見ると、メニューが立てて置かれているため一瞬テーブルが鏡台のように見えたのですが、他店でもこういったメニューの置き方をされているのでしょうか。
担当者:はい。メニューを立てて置くのは全店共通ですので、この店舗のみ特別というわけではありません。
――1号店ということで店名からして他店舗と異なりますが、こちらのお店は名前以外にも他店舗と異なる点はありますか。
担当者:メニューも一緒ですし、名前以外は一般店舗と同じです。もともと東北では「ベル」として複数店舗を展開していたのですが、札幌進出を機に「びっくりドンキー」に統一したんです。その中でもこの店舗だけは創業の地ということで、名前を残した形になっています。
――ネットでは行ってみたいという声が多く寄せられていますが、反響へのコメントをいただけますか。
担当者:こちらは社員の中でも創業店舗として意義の深いお店です。びっくりドンキーは今年で53年目ですけれど、その全ての始まりとなった、創業当時の思いを伝える店ですので、ぜひお越しいただければと思います。
当初ハンバーガーレストランとしてオープンしたベルですが、ハンバーグレストランに変わったきっかけはマクドナルドでした。1971年にマクドナルドが日本にオープンしたのですが、創業社長がアメリカのマクドナルドを視察した際に「とても太刀打ちできない」と判断してハンバーガーはやめようと決断したんです。そこで、「ハンバーグディッシュ」を提供するようになりました。
これはハンバーガーを分解してワンプレートにしたもので、パンを米に変えて中のサラダなどもまとめて一皿でお出しするスタイルです。ハンバーグ定食と言えば通常、サラダや米は別のお皿で出てきますが、それをお手軽にしたものとしてここで始まりました。
残念ながら特別メニューなどはありませんが(笑)、この店舗にはこうした歴史を伝えるパネルもあります。創業当時の歴史にも触れられる記念館ではないけど、それに近い役割も担っていますので、ぜひお越しいただければと思います。
――ありがとうございます。最後に、本件をきっかけに知ってほしいびっくりドンキーの魅力・こだわりなどを教えてください。
担当者:一般にファミレスと言えば、和洋中なんでも食べられるお店が思い浮かぶかと思います。しかし、びっくりドンキーはファミレスにカテゴライズされますが、ハンバーグ専門店です。ハンバーグ以外のメニューは少ないですが、ハンバーグについては商品の品質・安全性などにこだわり、商品力に関しては他には負けないと自負しています。創業当時から1つの物を磨き上げてきており、他の専門店に近いクオリティーで作っていますので、ぜひご賞味いただければと思います。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.