膵臓がんのため逝去した作家の山本文緒さんのInstagramが10月25日、関係者の手によって更新。中央公論文芸賞を受賞した小説『自転しながら公転する』(新潮社)の贈呈式が行われたことや病床の山本さんが副賞のジュエリーを事前に受け取っていたことが明かされています。
『自転しながら公転する』は、山本さんの7年ぶりとなった新作長編で、2020年8月に第16回中央公論文芸賞の受賞が決定。2021年10月22日に中央公論新社が主催した谷崎潤一郎賞と中央公論文芸賞の贈呈式が開催され、山本さんのInstagramでは、生前の山本さんによる受賞のコメントと副賞であるミキモトオリジナルジュエリーの写真が公開されました。なお、谷崎潤一郎賞は金原ひとみさんの『アンソーシャル ディスタンス』(新潮社)。
投稿によると、ミキモトオリジナルジュエリーは「ご無理を言って、事前に届けていただき、病床の山本さんに見せることができました。関係者のみなさまありがとうございました」と本人に直接渡せたことを報告。8月末に書かれたという受賞の言葉では、作家としてもがき苦しむ中で「自分の作品の中では楽しんで書けたものになった」と山本さんの気持ちがつづられています(全文をPDFで読む)。
また、Instagramについては「自分がいなくなったあともSNSは残してほしい」という山本さんの遺志を優先し今後も残すことを伝え、「時々お知らせや思い出などを投稿しようと思います。メッセージなどには対応できませんので予めご了承ください」と知らせています。
ファンからは「度々更新してくださるとのこと、嬉しい限りです」「ありがたいです」とInstagram継続に感謝する声とともに、「本当に涙がとまりません。これからも作品を読み続けます」と山本さんの死を悲しみながらも作品たちへの愛を伝える声が届いています。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 直木賞作家・山本文緒さんが膵臓がんのため58歳で逝去 村山由佳、井上荒野、芦沢央ら作家からも悲しみの声
ご冥福をお祈りいたします。 - 漫画家の富永一朗さん、96歳で逝去 「お笑いマンガ道場、大好きでした」など追悼の声相次ぐ
バラエティー番組「お笑いマンガ道場」にレギュラー出演。 - イラストレーター焦茶さん、2020年6月に逝去 YOASOBI・Ayaseの楽曲イラストなどで活躍
アート、音楽、ファッションなど幅広いジャンルで活躍されていた焦茶さん。 - 劇画家のさいとう・たかをさん、すい臓がんで逝去 『ゴルゴ13』は遺志を継ぎプロダクションが“連載続行”
ご冥福をお祈りします。 - 千葉真一さん、82歳で逝去 世界的名優との別れを惜しむ声相次ぐ 「カッコいい憧れの大人でした」
千葉県内の病院で本日逝去。 - ブンサテ川島道行さん逝去から5年に妻・須藤理彩「まだ、なのか、もう、なのか」 娘との2ショット公開
川島さんは2016年10月9日に脳腫瘍のため逝去。 - 『ベルセルク』三浦建太郎さん、急性大動脈解離のため逝去 悲しみの声相次ぐ
54歳でした。