「心臓が痛くなる」とIT業界で話題 トラブル対応に追われるエンジニアの漫画「100日後に退職する47歳」 作者に話を聞いた(1/2 ページ)
炎上するプロジェクトで火消しに追われる主人公を描き、IT業界関係者から反響を集めました。
IT企業で炎上プロジェクトに関わった47歳のエンジニアが退職するまでを描いたTwitter漫画「100日後に退職する47歳」。IT業界のあるあるを描いて注目を集めた漫画が、先頃完結しました。作者に描き始めたきっかけなど、話を聞きました。
「100日後に退職する47歳」は、プログラマーの元アプリ開発者47歳(@tome_ura)さんが7月から100日間更新を続けた漫画。主人公の「47歳」が、アプリのリリースに伴うトラブル対応に追われる様を描いています。
3カ月遅れでリリースされたアプリは、初日からログインできなくなる障害が発生。「退職した同僚が作った部分にバグ」「再リリース後もエラー発生」「追加メンバーのスキルに不安」「再々リリース後もまたエラー」……炎上するプロジェクトで火消しに追われる47歳の姿に、IT業界では「心臓が痛くなる」「共感できる」「嫌な思い出がよみがえった」など反響がありました。
編集部では、元アプリ開発者47歳さんにお話を聞きました。
―― 「100日後に退職する47歳」を描き始めたきっかけは
元アプリ開発者47歳さん 今年に入ってから、いろいろエッセイ系のWeb漫画で面白いものをいくつか拝見していて、自分でも描いてみたいと思っていました。
その題材を検討するなかで、基本的にいつも会社辞めたいと思っていたので、はやりそうなタイトルをつけてアップしてみようと思ったことがきっかけです。
―― 制作の際に大変だったことは
元アプリ開発者47歳さん 拙い絵柄ですが、会社に勤めながら100日間毎日アップするのは予想以上に大変でした。通勤電車の中でネタ出し・下書きをやって、昼休みに清書するという感じで、大体2時間くらいかけていました。
また本業はエンジニアで、趣味でアプリは作っていましたが、絵はほとんど描いたことがなかったので、道具(スタイラスペン)、ツール(ibisPaint)をいろいろ試すところから始めました。
―― 漫画にはどのくらい実体験が反映されているのでしょうか
元アプリ開発者47歳さん 「事実を元にしたフィクション」という扱いなのですが、最近5年間くらいに身の回りで起こったことがベースになっています。いろいろ周りで見かけたり、自分でやってしまった失敗などを、主人公や登場人物の失敗として描いたりしています。登場人物は(モデルがいる人もいるのですが)実在の人物とは関係ないです。
作者の過去ツイートなどにいろいろ漫画の元になった事柄を思わせるような記述とかが残っている場合があるので、興味のある方は探してみてください(笑)。
―― Twitterでかなり反響がありましたが、どう感じましたか
元アプリ開発者47歳さん 1日目を描いた時はフォロワーさんは400人くらいだったのですが、最終的にはありがたいことに6万人を超えてしまったことは、まったく予想外のことで、とてもうれしいです。
皆様のコメント、RT、いいねがいただけたおかげで100日間続けるモチベーションが維持できたので感謝しかないです。「主人公の続きが気になる」「会社に入る前の話が見てみたい」などいろいろご感想をいただいているので、次回作を検討中です。
「100日後に退職する47歳」は11月8日に電子書籍版が配信(440円)。後日談を含む10ページの描き下ろし漫画が収録されています。
次のページでは冒頭10話を掲載。続きはTwitterで公開されており、モーメント(1〜50話/51〜100話)にまとめられています。
作品提供:元アプリ開発者47歳(@tome_ura)さん
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