人間は得体の知れない物事を怖がり、「名前」を付けて安心しようとする生き物です。日本のさまざまな妖怪にも、当時の科学では説明できない自然現象や病気を頭で納得するために生み出された種が数多く存在します。
今回ご紹介する作品は、恐ろしい存在である怪異に「名前」を与え、親しみさえ抱ける存在へと変化させた家族の物語となっています。作者はみちこ(@michiko_fever)さんです。
みちこさんが小学校2年生の時のお話。当時のみちこさんの家では「家族の誰かが、まるでふたりいるかのように、同時に別々の場所で目撃される」という奇妙な現象が起きていたそうです。
気味が悪くなったみちこさんがお母さんに相談したところ、思いもよらぬ提案が出されました。なんとその怪異を「ウチは4人家族だから、"第5の人"という名前で呼ぼう」と言うのです。
お母さんは「何か悪さをするでもないし、きっとイタズラが好きなのだろう。怖がるほうがかわいそう」と一家を諭し、みちこさんも驚きはしつつもそれを受け入れます。
それからというもの、家で奇妙な現象が起きても「第5の人のイタズラだな」と受け入れられ、怪異は怖いモノからちょっと楽しいモノへと変化したそう。
お母さんの発想によって、5人目の見えない家人として受け入れられた第5の人。「怖い」から「楽しい」へ変化しただけではなく、もしかしたら第5の人も、そう呼ばれることを受け入れていたのかもしれない……と考えると、心温まるお話にもなりますね。
作者はみちこ(@michiko_fever)さん。日常漫画などの作品をTwitterに公開しています。
作品提供:みちこ(@michiko_fever)さん記事:たけしな竜美(@t23_tksn)
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