タクシーが目的地に到着するなり客が豹変(ひょうへん)し、運転手にナイフを突きつけて「有り金全部出せ」――。緊迫したムードで始まった漫画の、奇想天外な展開が泣けると評判です。作者は漫画家の加藤拓弐(@isiyumi)さん。
ひとけのない夜道に車を停めたとき、後部座席から迫る強盗の刃。運転手は恐怖で動けなくなってしまいます。
金を出せと急かされて、運転手が「出します」と言いかけたそのとき、車に異変が。ルーフやボンネットが観音開きのように割れて、2人を車外に放り出します。
タクシーはさらに複雑なシークエンスを経て、自律型のロボットに変形。「その悪事、見過ごせない」と、ひとにらみで強盗を追い払います。運転手の勇太郎は少年時代、ロボットとコンビで戦ったヒーローだったのです。
悪に屈した今の自分が情けなくて、「昔ならもっと、どんな相手にも立ち向かえたんだけどな……」と恥じる勇太郎。ロボットはタクシー形態に戻りながら、「確かにあのころとは違うな。こうやって私を運転するようになった。安全運転で接客もいい」と、声をかけるのでした。役割が変わっただけであって、今も情けなくなんかないはず。
かつての勇太郎とロボットの姿が、「勇者警察ジェイデッカー」などの「勇者シリーズ」を思わせるこの漫画。リプライでは、「そして人生は続いてゆく……って感じで好き」「平和になった世の中には、勇者も英雄もいらないんだな」「小さなころの勇気はなくしたかもしれないけど、立派な大人になっているのがとても涙腺に響きました」など、「ヒーローのその後」に感じ入る人が多くみられます。
作者の加藤拓弐さんは、ロボットものライトノベル『ナイツ&マジック』(原作:天酒之瓢)のコミカライズ版を『ヤングガンガン』で連載中。同作のキャラクターはスパロボシリーズ最新作「スーパーロボット大戦30」に参戦し、今回話題に上ったジェイデッカーと共闘を果たしています。
作品提供:加藤拓弐(@isiyumi)さん
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.