巨人を家として住まう人々がいる世界を舞台にした不思議な漫画が、Twitter上で話題になっています。少女が暮らす巨人に“不審者”がやってきて――。
絵描きの少女ドロシーは、ウォルターという巨人の中で一人暮らしをしています。ぐうたらな彼女を支えるウォルターは、いつも優しく彼女を見守ってくれる存在です。この世界における巨人は意思を持つと同時に、人が居住できる空間を備えている貴重な遺跡なのです。
そんなある日、ウォルターに不審な男性が乗り込んできます。寝起きで知らない男性がいることに驚くドロシー。「出てけ不審者!」と叫び撃退しようとします。
しかし、男性は不審者ではなく、巨人研究者のヤンと名乗りました。巨人の居住者は研究者が来たら受け入れなければならない決まりなのですが、巨人を好き勝手に使う居住者と、大切に保存したい研究者の間には少し軋轢(あつれき)があるようです。
祖父からウォルターを引き継いだドロシーは、「研究者が来たらもてなすように」と言われていたことを思い出し、「おもてなし」をしようとします。
しかしながら、普段からあまり家事をしない彼女は、設備の使い方が分からず、ウォルターからもらった茶葉を適当にかまどに突っ込み、ぼやを起こしてしまいます。ウォルターに呼ばれたヤンが慌てて火を消し止めたため、大事にならずに済みました。ウォルターが事故物件にならなくて本当に良かった……!
ヤンはかまどの使い方をドロシーに教えつつ、ウォルターがくれたこの茶葉は、古墳の副葬品として納められていたものと同じだと指摘します。今まで何のためのものか判明していなかったため、これは大発見だと大喜びの様子です。ドロシーの思い付きが意外なところで役に立ったのでした。
苦労の末に出来上がったお茶を飲む2人。しかしそれはあまりにも苦く、飲めたものではありませんでした。ヤンが「多分作り方があるんだ。分かったら一番に教える」というと、ドロシーはにっこりとほほ笑み「お菓子用意して待ってる」と答えるのでした。巨人でなくとも見守りたいこの2人……!
この漫画にネット上では、「ウォルター…(´;ヮ;`)まじイケ巨人」「とても好きな絵柄、関係でもっと続きを読みたいとわくわくしています、素晴らしい作品をありがとうございます!」といった声が寄せられていました。
作者は漫画家の中西芙海さん(@nknsfm)。こちらは「巨人暮らしのススメ」の3作目で、作者サイトまたはTwitterから他のお話も読むことができます。中西さんはこの他に、イースト・プレスのマトグロッソにて「ナナのアクアリウム」を連載しています。
作品提供:中西芙海さん(@nknsfm)
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