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芥川賞作家の西村賢太さんが54歳で急逝 石原慎太郎さんの死から4日後の旅立ちに「破滅型の表現者がいなくなるのは淋しい」(1/2 ページ)

突然の訃報でした。

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 「苦役列車」「無銭横町」など破滅型の私小説で知られる、芥川賞作家の西村賢太さんが2月5日朝、東京都内の病院で死去したことが明らかになりました。享年54歳でした。

 西村さんは中学卒業後、アルバイトで生計を立てつつ小説を執筆。2004年より文芸誌に小説を発表し、2007年には「暗渠の宿」で第29回野間文藝新人賞を受賞。2011年には「苦役列車」で第144回芥川賞を獲得しており、同作は19万部を突破するヒット作となりました。

西村賢太 苦役列車
芥川賞を受賞した「苦役列車」(画像はAmazon.co.jpから)

 西村さんは芥川賞の受賞時、会見における破天荒な発言がネットで話題になったこともあり、突然の死去報道にTwitterでは「西村賢太」がトレンド1位に。「えっ? お若いのになんで」「亡くなったの!」と驚く声が多数見られました。また、「ああいう破滅型の表現者がどんどんいなくなるのは淋しい」と現在の文壇では稀有な存在であったという声も。

 西村さんは、敬意を抱いてきた作家・石原慎太郎さんが2月1日に死去した後、2日には新聞へ追悼文を寄稿。「胸中の人」「虚脱の状態に陥っている」などとつづった3日後に自らも急逝することとなったため、「後を追う様に行かなくても…」「因果的なものを感じる」と悲しみを漏らすファンも見られました。

 著名人ではSF作家の大森望さんが「最近の文壇には珍しい強烈な個性を持つ、貴重な作家でした」と西村さんの死を悼んでいるほか、お笑い芸人のマキタスポーツさん、書評家の吉田豪(Twitter上の名前は吉田光雄)さん、ロックシンガーのダイアモンド ユカイさんらも反応。また、西村さんのいくつかの著書を出版している新潮社も追悼ツイートを投稿しています。

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