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「境界駅」のロマン 新幹線と在来線の改札口、なぜ同じ駅なのに駅員さんの制服が変わるの?(1/2 ページ)

意外とあちこちに「境界駅」あるのですね。

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 新大阪駅や小倉駅などの新幹線停車駅で、新幹線と在来線の改札口を境に駅員さんの制服がガラッと変わって「あれ?」と少し驚いたことがあります。

 担当係別に制服が分けられているのかな。接客担当と技術・検修担当などでそれはあるでしょうが、どちらもビシッとネクタイと制帽着用のスーツ姿の駅係員さんです。

 これは鉄道事業者の「境界駅」と営業エリアが関係しています。

 JRは、営業エリア別にJR北海道、JR東日本、JR東海、JR西日本、JR四国、JR九州、6社の旅客輸送会社があるのはご存じの通りです。「ここからここまではウチのエリアね」「では●●新幹線は当社が」などと取り決められています。

 ……ということは、意外とあちこちにそれぞれの「境界」があります。路線においては分けやすく「駅」を境界にしています。このような駅を境界駅と呼びます。

なぜ同じ駅なのに制服が変わるのか
JR東海とJR西日本の境界駅「新宮駅」で発車を待つJR西日本の特急「パンダくろしお」

在来線の境界駅

  • 中小国駅(JR北海道とJR東日本 ただし中小国駅から北海道方面へは行けない)
  • 国府津駅(JR東日本とJR東海)
  • 熱海駅(JR東日本とJR東海)
  • 甲府駅(JR東日本とJR東海)
  • 辰野駅(JR東日本とJR東海)
  • 塩尻駅(JR東日本とJR東海)
  • 南小谷駅(JR東日本とJR西日本)
  • 米原駅(JR東海とJR西日本)
  • 猪谷駅(JR東海とJR西日本)
  • 亀山駅(JR東海とJR西日本)
  • 新宮駅(JR東海とJR西日本)
  • 児島駅(JR西日本とJR四国)
  • 下関駅(JR西日本とJR九州)

新幹線の境界駅

  • 新青森駅(JR北海道とJR東日本)
  • 東京駅(JR東日本とJR東海)
  • 上越妙高駅(JR東日本とJR西日本)
  • 新大阪駅(JR東海とJR西日本)
  • 博多駅(JR西日本とJR九州)

 境界駅とはいえど、同じ駅で異なる会社の係員がそれぞれ活動していては効率も都合も悪いので「この駅はウチが管理しますね」とそれぞれ協議して決まっています。

 例えばJR東海とJR西日本の境界駅である「新宮駅」はJR西日本が管理しますが、同じくJR東海とJR西日本の境界駅「亀山駅」はJR東海が駅の管理者です。

 少しややこしくなるのは「新幹線駅」です。

 新大阪駅はJR東海とJR西日本の境界駅です。普段、乗客は意識することなく多くの列車が通称:東海道・山陽新幹線として東京〜博多間をプワーンと直通していますが、JR東海「東海道新幹線」の終点駅で、JR西日本「山陽新幹線」の起点駅でもあります。

 その新大阪駅の管理者は誰かというと、「新幹線部分」はJR東海、「在来線部分」はJR西日本です。新幹線と在来線の改札口を堺に管理する会社が変わります。そのため新幹線改札口の内側と外側で異なる2社の、制服も少し違う駅係員さんがいます。

 同様に、品川駅、新横浜駅、小田原駅、熱海駅も新幹線部分がJR東海、在来線部分はJR東日本で分けられています。京都駅と米原駅は新幹線部分がJR東海、在来線部分はJR西日本、小倉駅は新幹線部分がJR西日本、在来線部分はJR九州が管理者です。

なぜ同じ駅なのに制服が変わるのか
JR九州エリアの小倉駅も、新幹線ホームではJR西日本スタイルの駅名標が使われている

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