「捨てたら許さん」 曾祖母の遺品整理で起きた不思議な出来事 家族の絆と想いが伝わってくる体験談(1/2 ページ)
相手がひ孫だからこそ、恥ずかしがらずに頼めたのかもしれませんね。
古物商の方いわく「興味深い品物は、古くて大きな家ほどよく出てくる」そうです。それはともかく長く住めば住むほど、家には物が溜まります。大掃除がてら宝探しをしてみるのは、感染症対策も兼ねた一石二鳥の「おうち時間」になるでしょう。
今回ご紹介する作品は、ある女性の経験した「曾祖母が亡くなり、その遺品整理を行った際に遭遇したという、不思議で奇妙な体験談」を漫画化したものです。
作者はしろやぎ秋吾(@siroyagishugo)さん。本作品のような「誰かが体験した、本当にあった怖い話の漫画」を多数収録した単行本『フォロワーさんの本当にあった怖い話』(双葉社)が販売中です。
ある女性が小さな頃に体験したお話。彼女の曾祖母が亡くなり、住む人がいなくなった家の片付けを行った時のことです。生前の曾祖母は気が強く非常に厳しい人だったそうで、会うのも年に数回程度、女性は曾祖母があまり好きではなかったといいます。
片付けをはじめたその日の夜、女性は夢を見ました。彼女は曾祖母の家の中にいて、仏壇の前に座る曾祖母を見つけ、そこへ近づくのですが……確かにそこにいたはずが、曾祖母はこつぜんと姿を消していたのです。
曾祖母はどこへ行ったのだろうといぶかしがり、仏間でひとりたたずむ女性でしたが……背後から唐突に曾祖母が現れ、仏壇置きの下の収納を指差しました。そして「捨てたらあかんで……ばぁばの大事なもんやから、捨てたら許さんで……」と彼女に告げたそうです。
その夢を見た翌日、女性が夢の中で曾祖母が指差した場所を調べてみたところ……そこにはいくつかの木箱が収められており、中にはたくさんの手紙が入っていました。それを見た女性の父母や叔父叔母……「曾祖母の孫」にあたる方々は「夢で大ばぁばがそう言ってたの?」「俺たちには言いにくかったのかな」「おばあちゃんらしいわよ」と、口々に楽しそうに語ったそうです。
その手紙はすべて「曾祖父が戦地から送った手紙」……曾祖父から曾祖母へのラブレターだったのでした。果たして曾祖母が夢枕に立ち「捨てたらあかんで」と告げたそのラブレターの数々は、今でもふたりの位牌の横へ置かれ、大切に保管されているそうです。
作品提供:しろやぎ秋吾(@siroyagishugo/しろやぎの漫画おおめブログ)さん
記事:たけしな竜美(@t23_tksn)
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