恐竜の着ぐるみ集団が競って芝を駆け抜ける「ティラノサウルスレース大山」が、鳥取県大山町で4月16日に開催され大盛況を見せました。頭を揺らして走る姿が真剣でいてユーモラスで、眺めているだけでほっこり。
同イベントは、「コロナ禍で溜まったストレスを発散してもらいたい」思いから、有志で催された企画。以前米国で開催され話題となった、着ぐるみレースにならった徒競走です。
「ティラノサウルスの着ぐるみ(約5000円)を自前で用意」を条件にエントリーを募ったところ、当日は会場のグランピング施設「トマシバ」に約100体の恐竜が集結。レース前には準備運動にラジオ体操が行われ、大勢の恐竜がシンクロするシュールな光景を描き出しました。この時点で会場は笑い声でにぎやかに。
コースは約70メートルの上り坂。不慣れな着ぐるみに苦戦しながら一所懸命走る恐竜たちの姿に、多くの笑いや歓声が上がりました。
盛況の様子は観戦者のツイートやテレビの報道で話題に。「走り出した瞬間でもう大笑い」「首がぐねんぐねんしてる」「すごくシュールだけどすごく和んだ」と多くの笑いを呼んでいます。
編集部はレースの主催者(@TREXraceDAISEN)を取材し、開催の経緯など詳細を聞きました。
―― ティラノサウルスレースはどのようなきっかけで開催されたのでしょうか?
主催者 もともとティラノサウルスの着ぐるみレースが海外にあるのは知っていて、日本でできたら面白いとは考えていました。そんなある日、知人から弟の修学旅行がコロナ禍の影響で陶芸体験に変更されたと聞いてあまりに可哀想だなと感じ、同じように(コロナのせいで)ストレスが発散できず、元気のない人が多いのではないかと思いました。そこで、「元気といえばティラノサウルス」ということで開催しました。
―― 開催を実現するうえで大変だったことは何ですか
主催者 初回なので、参加者を集めるには目立たなくてはと思い、ティラノサウルス姿で町中を徘徊(はいかい)していました。終盤は慣れましたが、最初に行った大阪の蔦屋書店梅田店が、店員に怒られたりしないかと一番精神的にこたえました。センスと意識の高そうな学生やサラリーマンの視線にビビりまくり、自分がいったい何をしているのか分かりませんでした。
参加者が集まってからも、資金確保や運営の人集めが大変でした。うっかり参加費無料にしてしまったので全部持ち出しになりました。ちなみにまだ回収できていません。わけが分かりません。
―― 早いペースで申し込みが定員に達したようですが、どう感じましたか
主催者 みんなも頭おかしいんだなと思いました。
―― 実際に開催した手応えや、またネットでの反響を受けて感じたことをお聞かせください
主催者 「何がなんだか分からない」をコンセプトに、「楽しいが何のためにもならない大会」を目指していたので、その点は伝わったかなと思います。「笑った」とか「お腹いたい」といった好意的な意見が多くてうれしい反面、「ここ半年で初めて笑った」みたいな深刻な感想もあって心配になります。つらいときはラジオ体操のアーカイブを見てほしいです。
動画提供・取材協力:ティラノサウルスレース大山(@TREXraceDAISEN/広報アカウント)/タマキさん(@remotemini4wdgp/配信担当)
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