ITmedia ガジェット 過去記事一覧
検索
ニュース

東海道線と東海道本線ってどっちが正解? 山手線の「山手」って何なの? 実は楽しい「鉄道路線のお名前」の謎月刊乗り鉄話題(2022年6月版)(3/4 ページ)

知らなくても困らないけど、知ると何だか乗りたくなってくる「鉄道路線名」のお話をどうぞ。40代以上の皆さん、覚えてますか……?「E電」。

advertisement
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

南海電鉄の「南海」は……南海道のこと

 南海電鉄の「南海」ってどこの海なのでしょうか。南海電車沿線の海は大阪湾、そして和歌山湾。そういえば海に絡む「南海トラフ」という言葉も聞いたことがあります。

 この南海は「南海道」のこと。古代律令制で定めた行政区画「畿内七道」の1つです。畿内は都の周辺のことで、七道は「東海道」「東山道」「北陸道」「山陽道」「南海道」「山陰道」「西海道」です。鉄道路線に縁のある文字がいくつかあります。「畿」は近畿地方の畿、近畿日本鉄道(近鉄)の畿です。律令制時代の地名とつながった。ロマンだぁ。

 南海道の範囲は「畿」の南。紀伊半島南部、そして淡路島、四国です。南海電鉄グループに和歌山港と徳島港を結ぶ南海フェリー、徳島バスがあります。かつては淡路島へのフェリーも運航していました。

 淡路島にあった「淡路交通鉄道線(旧淡路鉄道)」は関連会社ではなかったようですが、南海電鉄の中古車両が譲渡されていました。その縁でしょうか、南海電鉄汐見橋駅に掲げられていた沿線観光案内図には淡路鉄道の線も描かれていました。

鉄道で使われる「名称」の謎を解説
南海電鉄汐見橋駅に掲げられていた沿線観光案内図 矢印の下に淡路交通鉄道線が赤い線で描かれていた。現在、観光案内図は掲示されているものの作り直されたもので、もう淡路鉄道は示されていない(2004年撮影写真を拡大加工)

ちょっとメルヘン「山万ユーカリが丘線」名前の由来

 時代を進めましょう。1982年に千葉県でかわいい電車が走り始めました。電車の愛称は「こあら号」、路線名は「山万ユーカリが丘線」(関連記事)です。遊園地の乗り物みたいな名前ですね。でもこれ、れっきとした鉄道、新交通システムです。京成電鉄のユーカリが丘駅を起点とし、ユーカリが丘ニュータウンをくるっと回って戻ってきます。街が「ユーカリが丘」なんですね。

鉄道で使われる「名称」の謎を解説
山万ユーカリが丘線「こあら号」

 途中の駅は「地区センター前」「公園」「井野」「中学校」「女子大」の5つ。駅名は普通、というか多くがそのままド直球です。街の利用者が分かりやすい名前だから正解でしょう。あ、「タロンガ」「サンディエゴ」「ロングリート」「タマ」「ヒガシヤマ」「ヒラカワ」でも良かったんじゃない? ちなみにどれもコアラを飼育している動物園ですよ。

 いや脱線。コアラの話ではなくユーカリが丘です。なぜ植物の名前なのでしょうか。ユーカリの木は成長が早く、砂漠の緑化などに利用されています。防虫効果もあって、農地の周囲に植える事例もあるとのこと。ユーカリの葉はオーストラリア原住民にとって薬として使われています。このようなイメージからユーカリが丘が命名されたようです。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る