国の重要文化財である日本刀「山姥切国広」の寄託または購入に向け、足利市が前向きな姿勢を示したところ、刀の所有者からのメッセージが公開され、さまざまな反応が寄せられています。
山姥切国広は、足利城主・長尾顕長の依頼で、「本作長義」の写しとして刀工・堀川国広が打った刀。ブラウザゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」にも登場しており、足利市はこの刀のふるさとであるということで、所有者からの許可を得てたびたび展示を行ってきました。
今回の発端は、6月8日の足利市議会。山姥切国広の寄託や購入についての一般質問が行われ、足利市長から「何より所有者の気持ちが大事であり、これまでの良好な関係を基礎に適切に意思表示をしたい」との答弁があり、大きな反響を呼びました。
そうした中で、山姥切国広の所有者から「山姥切国広を愛してくださっている皆様へ」と題したメッセージが寄せられ、足利市が公開。するとTwitter上で「山姥切国広」「断腸の思い」など関連語句がトレンド入りする事態となりました。
所有者は「5年前から、縁あって足利市とお付き合いをさせていただき、いつも誠実に真摯に向き合ってくださり、とても信頼しております」とした上で、「山姥切国広を私達の元で眠らせて置くには存在があまりにも大きくなりすぎていて、正直守りきれなくなってきています」とコメント。
そして「手放すのは断腸の思いではありますが」と吐露した上で、刀の保管場所について「湿度、温度管理、セキュリティもしっかりされていて、とても居心地が良さそうでした」と報告。
「考え抜いた結果、信頼できる足利市にお任せするのが一番良いのではないかと思っております」とした上で、最後に「今後、山姥切国広が幸せになり、より一層皆様に愛されることを切に願っております」と結んでいます。
このメッセージについてネット上では「山姥切国広を現所有者様から引き離したい審神者は一人もいないと思う。とても大事にされていると聞くし"断腸な思いをいだきつつ手放す"というのは悲しさが先に立ってすんなり”良いこと”と思えない。個人所有の限界を感じさせたのが刀剣乱舞のせいなら一審神者としてごめんなさいとしか言いようがない」といった声や、「山姥切国広を見て実際、個人所有の中でも綺麗に保存されている刀身だったなあ 『刀』が本当に好きな所有者様なんだろうなって思ったし(金銭的価値は今は論じない) もし、所有者様が足利の地を山姥切国広が『居心地良さそう』って感じてくれたのなら……足利も大切に受け取って欲しい」といった、さまざまな反響が寄せられています。
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