ゲンドウ、ロリコンじゃん……。
そこからはしばらく、「シンジくんかわいそう」心理が僕の中で渦巻いていました。大人たちに無理やりエヴァンゲリオンに乗せられ続け、転校初日にクラスメイトにぶん殴られる。大人が言うことに従い続け、目が死んでいるシンジくんを見ていると心が痛みました。
しかも、シンジくんの父親ゲンドウは、少女の綾波レイには笑顔を見せ、綾波が危機に陥ると我を忘れて助けようとする偏愛っぷり。なんだよこいつロリコンじゃん……。シンジにその愛情を向けてやれよとイライラしました。
その後、「シンジくんかわいそう心理」が僕の中でなくなってきて、明るい気持ちで物語を見られるようになってきたのは、第七話くらいからです。シンジくんがクラスメイトやネルフの人々となじんできて、以前から知っていたキャラクター、アスカが出てきたことで、ようやく子どもが楽しく見られるような雰囲気になってきたなと思いました。
使徒との船上での戦いや、アスカとシンジくんの息を合わせた共闘など、次々やってくる使徒の脅威を攻略していく様子が見ていて面白く、「これは多くの人がハマるわ」と感じました。ゲンドウにシンジくんが褒められるシーンもあって、「よかったなぁ」と少しホッとしたし(その後、「父さんのさっきの言葉が聞きたくてエヴァに乗っているのかもしれない」と聞いた時はちょっと切なくなりましたが)。
頑張れシンジ……!!
が、そんな雰囲気は長くは続きませんでした。第拾六話でシンジくんが使徒に飲み込まれてちょっと雲行きが怪しくなってきて、使徒に乗っ取られたエヴァ参号機からシンジくんの友人トウジが出てくるあたりで、またも「あぁ……」という気持ちに。どうして謎の巨大怪物「使徒」とエヴァンゲリオンのドキドキハラハラする戦いだけで終わってくれないのかな……。
ただ、親に褒められたいという気持ちもあってエヴァンゲリオンに乗っていた彼が、「乗らない」と言い張ったあたりには応援したい気持ちが湧いてきました。本来ダメかもしれませんが、彼が周りの大人たちに反発したのは成長ではないかと思ったからです。その後、シンジくんが自らの意思で「僕を、この初号機に乗せてください! 」と叫んだシーンはもう感動。エヴァンゲリオンを見ていたなかで、今のところ一番好きなシーンかもしれません。頑張れシンジ……!!
その後、初号機は使徒にボコボコにされるものの、暴走して腕を復元。シンクロ率が400%を超え、怪物のように使徒を貪り食うシーンは、残酷でありながらワクワクして見入ってしまいました。しかも、エヴァを覆っていたよろいのようなものが、装甲板ではなく実は拘束具だったというのも少年心がそそられます。
が、僕がこのアニメでテンションが上がったのはここまででした。そこから先は……。
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