米オーディション番組「アメリカズ・ゴット・タレント(America's Got Talent)」に、レバノンからやって来た女性ダンサーチームが出演。彼女たちが披露したダンスの動画がYouTubeに公開されると、2週間ほどで1200万回以上も再生されるほど注目を集めています。
25人の女性で構成されたダンスチーム「マイヤーズ(Mayyas)」は、レバノンの振付師・ナディームさんのもとで子どものころからダンスを学んで来た女性たちのチーム。ステージに登場すると審査員のソフィア・ベルガラさんから、「マイヤーズとはどういう意味なの?」と聞かれ、チームの女性が「アラビア語で『誇らしげに歩く雌ライオン』という意味なんです」と真剣な表情で返しています。
レバノンは歴史的に宗派間の紛争が繰り返されてきた保守的な一面を持つ国でもあり、「レバノンでの生活はどう?」と質問されると「レバノンはとても美しい国です。でも、私たちは日々葛藤しています。残念なことですが、アラブでは女性ダンサーになることはあまり支持されていないんです。それに……えっと……」と言葉を詰まらせる場面も……。
そんなマイヤーズの女性ダンサーたちはステージに1列に並び、ダンスの準備を整えると真剣な表情に変わります。そして千手観音像のように25人の50本の腕が艶やかに舞い始めると、まるでひとつの大きな生き物が動いているようにも見え、会場からは歓声が起こります。
さらに1人のメインダンサーを中心にして両脇に他のダンサーが並んで腕をつなぎ合わせ始めると、大きな人の目のような形に。まるで会場を“大きな目”が見つめているように見えます。“目”はダンサーの動きによって瞬きしているようにも見えて会場はさらに大盛り上がり。
最後に25人が縦に1列に並んで決めポーズでダンスを締めると、会場はスタンディングオベーションであふれかえっていました。4人の審査員からは「今まで見たことのない美しくて創造的なダンスだったわ」と大絶賛の声。そして審査員全員の満場一致で「ゴールデン・ブザー」を押し、マイヤーズは見事準々決勝進出への切符を獲得したのです。
マイヤーズのメンバーは「これはアラブ女性を象徴していると言えます。レバノンの女性なら絶対できる! そしてこれは私たちの人生を変える経験となりました」とうれしそうに語っています。マイヤーズのInstagramには、彼女たちの魅惑的なダンスがたくさん投稿されています。ぜひご覧になって見てください。
画像は:YouTubeから
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