猛暑予想に「はじめてですよ、『ふざけんなよ』って声だして言ったの」――アバンギャルドに天気情報を伝える予報士が人気、熱い思いを聞いてみた(1/3 ページ)
気象予報を広く届ける工夫がすてき。
「気温が爆アゲしそうです」――そんなくだけた言い回しで、「真面目で固い」と思われがちな天気予報のイメージを覆す気象予報士がTwitterで人気を博しています。アバンギャルド(前衛的)に天気を伝え、4.8万人のフォロワーを集める気象予報士、アバンギャルド河津(@makotokawazu)さんに、気象情報をネットで伝える想いを聞きました。
「きょうのあなたは『勢いに乗る』グレーが出ています」と占い風に天気情報を伝えたり、最高気温が平年を大きく上回る予想が出たときは「気温が爆アゲしそうです」とギャルのような言葉で軽快さを漂わせたり、天気情報をユニークで興味を引く言葉で伝える河津さん。
最近では、東京で35度、熊谷39度の予想最高気温になった際に「干支(正確には「十二支」))が一周するくらい天気の仕事してますけどはじめてですよ、『ふざけんなよ』って声出して言ったの」というツイートが5万7000件のいいねを集めました。冷静に情報を伝えるイメージのある気象予報士から出てきた「ふざけんなよ」のインパクトが大きな反響を呼びました。
なぜアバンギャルドに天気のことをツイートするようになったのか、今後の暑さはどうなるのか、編集部は河津さんに聞きました。
――気象予報士になろうと思ったきっかけは何ですか
河津さん 大学卒業後、資格を取って専門的な働き方をしたいと考えていた中で、気象に関することであれば身近で勉強にも身が入りやすいと思いました。また、自分で天気予報ができれば生活にも役立つのではと(予定を立てやすい、体調も崩しにくい)魅力に感じましたし、実際の生活で日々それを体感しています。それから、天気予報であればこの先も無くなることはなく、長く働いていけるのではと思ったのもきっかけのひとつです。
――アバンギャルドに情報を発信しようと思った理由を教えてください
河津さん Twitterをはじめてから数年は、テレビと同じような言い回しでツイートをしていました。ある日、異様に低気圧が発達しそうな情報が出ていた際、他の気象予報士が感情を含めた(びっくりしている)ツイートをしてそれがバズリ、天気予報も書き方によっては大きく拡散されるのだと気づきました。
それから、私も感情を入れたツイートをしてみたり、漫画の名ゼリフを改変したツイートをしたりすることを、気象情報を面白がってもらいつつ、多くの人に伝えていく手段にしています。
――Twitterに投稿する上で心がけていること、工夫していることは?
河津さん 比喩や共感を意識しています。定型的な言い回しだと多くの人には響かないので、どんなレベルなのか、危険度なのかを例えを利用して伝えています。また、気象予報士自身がこう感じている、という感情をストレートに書くことで、共感がうまれるように心がけています。毎年、気象災害に巻き込まれてしまう人が出る中で、同じような情報発信ではすべての人を救えないという気持ちもあり、他の気象解説者とは違ったスタイルになりました。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.