無印「基本的にポケットは全商品に付けている」
「無印良品」で知られる良品計画の担当者は、「レディースアイテムはワンピースやスカートでシルエットを重視するためにポケットを付けない場合はありますが、基本的にはポケットは全商品に付けています。ただし、アイテムによってはデザイン上同じものでもポケットの数がメンズアイテムとは異なることがあります」とコメント。
メンズ服とレディース服の素材の違いがあるかどうかについては「アイテムに合う素材の選び方をするため、軽さや厚さなど、それぞれデザインに合うものを選んでいます。ベーシックな商品(シャツなど)は男女そろえる場合はあります」と述べています。
また、「無印良品」は男女兼用のアパレルアイテム「MUJI Labo」を展開しており、過去には2022年の春には衣料品の半数を男女兼用にすると日本経済新聞などに報じられました。良品計画はこのような取り組みについては、「現状では方向性が変わっています。今後も男女兼用アイテム(MUJI Labo)の継続展開はしますが、急速に男女兼用アイテムの拡大予定はございません」と話しました。
ワークマン「ポケットは深く作っている」
作業服・関連用品の専門店であるワークマンの担当者は、「当社の製品はプロのお客さまでも安心して着用していただけるように、ポケット付き製品のポケットは深く作っています。また、商品によっては多収納の商品もあり、高機能×低価格を軸に製品づくりをしております」とコメント。
ポケットのみならず、素材についても、「当社はメンズ商品と同素材の製品もつくっており、そうすることによってレディース商品でも低価格で販売できております」と、作業服を中心にラインアップする同社ならではのこだわりを語りました。
ワールド、オンワードホールディングス、しまむらは回答得られず
なお、編集部では「SHOO・LA・RUE」などで有名なワールド、「23区」や「自由区」などで知られるオンワードホールディングスにも問い合わせましたが、2社からは回答を得られませんでした。また、「ファッションセンターしまむら」を展開するしまむらにも問い合わせ中ですが、同じく現在のところ回答は得られていません(8月17日18時00分現在)。
「レディース服のポケット問題」には数百年にもおよぶ長い歴史があり、現在でも根本的な解決は見られず、国内外で不満の声が上がっています。今回、アパレル企業の回答、またその有無からはそれぞれの企業の立場が垣間見えました。
直接的な回答は控えた企業、回答そのものが得られなかった企業もある一方で、レディース服には「ほぼ」あるいは「基本的に」ポケットを付けていると回答した企業のほか、メンズ服・レディース服を問わず、深いポケットへのこだわりを明かした企業も存在しました。
いずれによせ、多くの企業は「ご感想やご意見を真摯に受け止め」「お客さまのお声を聞きながら」などとコメントしていることから、企業は一部消費者の抱える不満の声については把握していることが分かります。企業がこれらの声を受け止め、今後の商品企画や商品開発に取り入れることが期待されます。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.