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気仙沼線BRTで「自動運転」実用化! 12月から一部区間で運転開始(1/2 ページ)

位置情報は「磁気」で把握!

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 東日本旅客鉄道(JR東日本)は、気仙沼線BRTの一部区間で、2022年12月5日から自動運転バスの実用化すると発表しました。

気仙沼線BRT自動運転バス
自動運転バスの車両デザイン(画像:JR東日本)

 実用化区間は柳津駅から陸前横山駅までの1駅(4.8キロ)。柳津駅発は11時47分発、17時27分発、陸前横山発は11時07分発、15時57分発の2往復で自動運転を実施します。車内には運転手が乗務し、緊急時や悪天候時、自動運転の対象区間外では運転手が手動で運転を行います。

 気仙沼線は宮城県石巻市の前谷地駅から気仙沼市の気仙沼駅までの72.8キロを結んでいた路線でしたが、東日本大震災で全線が津波被害を受け、不通区間のうち柳津駅から気仙沼駅までの55.3キロの復旧手段として導入したBRT(バス高速輸送システム)路線です。

隣駅が消された柳津駅の駅名標
柳津〜気仙沼間は鉄道事業を廃止しており、柳津駅の駅名標では鉄道廃止区間が消されている(筆者撮影)

 BRTとして復旧した区間については、市街地への乗り入れや新駅の開業など、公共交通を維持するためにさまざまな取り組みを行ってきました。その取り組みの一つとして、JR東日本では将来的なドライバー不足に対応するため、2018年から自動運転の実証実験を行っていました。

 自動運転を行う専用の「BRT専用大型自動運転バス」は、「先進性」「親しみやすさ」をコンセプトにデザインを一新。ちりばめられたドットのカラーは、水色が三陸の海、白色が海のきらめき、茶系黄色が沿線の土地や人々を表現しています。

 自動運転は運転操縦をつかさどる自動運転システム、障害物を検出する各種センサー、手動運転バスとの安全なすれ違いを実現する交互通行システムなど、さまざまな最新技術が連携することで実現しています。

自動運転を行うための各種機器
自動運転バスに搭載する機器類(画像:JR東日本

 特に安全性に直結する位置情報を把握するためには「磁気マーカ」というシステムを用いており、車両の磁気センサーで検知することで、GNSS信号の届かないトンネル内などで正確な位置を把握できるようになっています。

 自動運転の正式開始に先立ち、12月1日〜4日には試乗会を開催します。試乗会は事前応募制で、10月14日まで郵送で申し込みを受け付けています。



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