理化学研究所が赤ちゃんの「泣きやみ」と「寝かしつけ」を科学的に研究しし、成功率が上がる方法を発表しました。
同所によると、その対応とは「赤ちゃんが泣いているときには、抱っこしてできるだけ一定のペースで5分間歩く。その後、抱っこしたまま座って5〜8分程度待ってからベッドに置く」ことです。こうすると、寝かしつけの成功率があがるそうです。
もともと、抱っこ歩きをすると泣きやむことが多いとは知られていました。この現象は「輸送反応」と呼ばれています。野生動物の親が子を運ぶときは危険が迫っている場合があるため、赤ちゃんが親に協力して、すぐにおとなしくなるためと考えられています。
しかし、20秒ほどの抱っこ歩きでは、歩くのをやめると再び泣き始めてしまいます。そこで理化学研究所は、生後7カ月以下の赤ちゃん21人とその母親の協力を得て、3つの実験をしました。
まずは、どういった動きが「泣きやみ」に効果があるか。最も効果があったのは「抱っこ歩き」。「ベビーカーに乗せて前後に動かす」も効果がありました。一方、“輸送”を伴わない「抱っこして座る」「ベッドに置く」では効果が見られませんでした。
次の実験は、5分間「抱っこ歩き」をしたときにどうなるかです。すると、効果はてきめん。全員が泣きやみ、約半数が寝ました。ちなみに、元々泣かずに起きていた赤ちゃんは、抱っこ歩きをしてもほとんど眠りませんでした。
最後の実験は、寝た赤ちゃんをベッドで寝かせる方法です。今回の研究でも、いったん眠った赤ちゃんをベッドに置くと、およそ3分の1が起きてしまいました。
研究チームは、起きる場合と眠ってくれる場合の違いを詳細に観察。「ベッドに置く前に寝ていた時間の長さ」が異なることに気づきました。赤ちゃんが眠り始めてから5〜8分間ほど待ってからベッドに置くと、起きにくくなると考えられました。
抱っこは手でも、抱っこひも・おんぶひもを使ってもOKです。歩き始めたら急に向きを変えたり不必要に立ち止まったりせず、一定のペースで淡々と歩くと効果的です。
研究チームでは、もし5〜10分間歩いても赤ちゃんが全く泣きやまないようなら、赤ちゃんの様子にいつもと違ったところはないか、観察することを推奨しています。例えば、中耳炎などで具合が悪くて泣いている場合には、輸送では泣きやまないと考えられるからです。
また、赤ちゃんの泣きには個人差が大きいことも分かっています。医療機関などに相談してとくに医学的な問題がないのであれば、発達への影響は心配しなくてよいでしょう。
(高橋ホイコ)
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