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泣いている赤ちゃんを寝かしつけるには? 理化学研究所が「泣きやみ」と「寝かしつけ」を科学的に研究(1/2 ページ)

あくまで成功率が上がる方法です。

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 理化学研究所が赤ちゃんの「泣きやみ」と「寝かしつけ」を科学的に研究しし、成功率が上がる方法を発表しました。

 同所によると、その対応とは「赤ちゃんが泣いているときには、抱っこしてできるだけ一定のペースで5分間歩く。その後、抱っこしたまま座って5〜8分程度待ってからベッドに置く」ことです。こうすると、寝かしつけの成功率があがるそうです。

赤ちゃんを寝かしつける方法 寝かしつけのコツ(プレスリリース解説動画より)

 もともと、抱っこ歩きをすると泣きやむことが多いとは知られていました。この現象は「輸送反応」と呼ばれています。野生動物の親が子を運ぶときは危険が迫っている場合があるため、赤ちゃんが親に協力して、すぐにおとなしくなるためと考えられています。

 しかし、20秒ほどの抱っこ歩きでは、歩くのをやめると再び泣き始めてしまいます。そこで理化学研究所は、生後7カ月以下の赤ちゃん21人とその母親の協力を得て、3つの実験をしました。

 まずは、どういった動きが「泣きやみ」に効果があるか。最も効果があったのは「抱っこ歩き」。「ベビーカーに乗せて前後に動かす」も効果がありました。一方、“輸送”を伴わない「抱っこして座る」「ベッドに置く」では効果が見られませんでした。

赤ちゃんの輸送反応の実験結果 「抱っこ歩き」が最も泣きやみました

 次の実験は、5分間「抱っこ歩き」をしたときにどうなるかです。すると、効果はてきめん。全員が泣きやみ、約半数が寝ました。ちなみに、元々泣かずに起きていた赤ちゃんは、抱っこ歩きをしてもほとんど眠りませんでした。

 最後の実験は、寝た赤ちゃんをベッドで寝かせる方法です。今回の研究でも、いったん眠った赤ちゃんをベッドに置くと、およそ3分の1が起きてしまいました。

 研究チームは、起きる場合と眠ってくれる場合の違いを詳細に観察。「ベッドに置く前に寝ていた時間の長さ」が異なることに気づきました。赤ちゃんが眠り始めてから5〜8分間ほど待ってからベッドに置くと、起きにくくなると考えられました。

起きた赤ちゃんと寝た赤ちゃんのをベッドに置くまでの時間の違い 寝続けた赤ちゃんは、置く前に眠っていた時間が長い

 抱っこは手でも、抱っこひも・おんぶひもを使ってもOKです。歩き始めたら急に向きを変えたり不必要に立ち止まったりせず、一定のペースで淡々と歩くと効果的です。

 研究チームでは、もし5〜10分間歩いても赤ちゃんが全く泣きやまないようなら、赤ちゃんの様子にいつもと違ったところはないか、観察することを推奨しています。例えば、中耳炎などで具合が悪くて泣いている場合には、輸送では泣きやまないと考えられるからです。

 また、赤ちゃんの泣きには個人差が大きいことも分かっています。医療機関などに相談してとくに医学的な問題がないのであれば、発達への影響は心配しなくてよいでしょう。

高橋ホイコ

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