群馬の葬式には“新生活”と呼ばれる風習がある――。そんな投稿がTwitterで注目を集めています。香典を少額にしお返しを辞退する風習ですが、ローカルルールだとは知らずに恥ずかしい思いをした経験が語られています。
音楽プロデューサー・DE DE MOUSE(@DEDEMOUSE)さんが20代の頃、横浜で知人の葬儀に参列した際の話。親から「新生活と言いなさい」と強く念を押されたのだそうですが、実際に香典を渡すとき「新生活です」と伝えると……お相手には不思議そうな顔をされてしまいました。その経験を「めちゃくちゃ恥ずかしかった」と振り返っています。
「新生活」とは、群馬県をはじめ北関東の一部に根付いた習慣。この地域の葬儀に参列すると「一般」と「新生活」に受付が分かれていることがあり、「新生活」の場合には、香典袋に「お返しを辞退する」旨を記載したラベルを貼ります。
この風習は、1955年に華美な冠婚葬祭を廃止しようとした政府による取り組み「新生活運動」の名残と言われており、例えば、群馬県高崎市のWebサイトには、「香典は1000円にしましょう」「お返しは辞退し、礼状のみ受け取るようにしましょう」といったことが書かれています。
日常生活では、葬式について話題にする機会は多くないため、どの風習がローカルルールかを見極めるのは難しいかもしれません。DE DE MOUSEさんに話を聞いてみました。
―― 「新生活」という風習は、いつ頃から認識していましたか
DE DE MOUSEさん:群馬を出て初めて親族以外の葬儀に参列したときなので、20代半ばくらいです。
―― 「新生活」が地域的な風習だと知る機会はなかったのでしょうか
DE DE MOUSEさん:葬儀の話を親族以外とすることはあまりないのでありませんでした。親も新生活は全国規模だと思っていたようなので、群馬県太田市では普通に浸透していたものと思われます。
―― 他地域にはないことを知ったいま、この風習についてどう思いますか
DE DE MOUSEさん:負担が軽くなることは良いことではないかと思います。
リプライ欄には、「熊本出身の人に『お通夜行くんやけど“目覚まし”でいいよね?』と聞かれた」「関西では法事の際に使う不祝儀袋が黄色」など、各地域にある風習が多数寄せられています。
(高橋ホイコ)
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