ディズニー作品の日本ローカライズ版におけるフォント表現について、感動的なシーンが台無しになっているとTwitter上で批判が巻き起こっています。
海外ゲームの日本語ローカライズで、フォントとしてやたら「MSゴシック」が採用されることへの批判から派生した話題。ディズニー作品の日本語ローカライズ版で、作中の文字表現が日本語に差し替えられる際に、しばしばオリジナルからかけ離れた「クソダサ」なフォントになっていることがあるとして、改善を求める声が相次いでいます。
今回特に拡散されたのは、映画「シュガー・ラッシュ」(2012)において重要なアイテムとして登場する、ヴァネロペがラルフに贈った「ヒーローのメダル」。
オリジナルでは筆記体で「You are my hero(あなたは私のヒーロー)」と書かれていますが、日本語ローカライズ版では無機質なフォントで「私のヒーロー」となっています。ここは2人の友情を描く上で重要なシーンなのですが、これではせっかくの手作りメダルが、どこかで買ってきた既製品のように見えかねません。
ディズニー作品はこれまで映画館での上映時、字幕版ではオリジナルの文字表現を、吹替版では日本語ローカライズ版の文字表現を用意することがありました。また「シュガー・ラッシュ」も含め、Blu-ray化された際には字幕版と吹替版を切り替えることで、作中の文字表現がオリジナル版とローカライズ版に切り替えられるようになっている作品が多くありました。
このように、せめて両方見比べられる環境があるのは、ファンとしてうれしいもの。ところが現在、同社は「Disney+」での配信事業に力を入れているものの、Disney+上ではローカライズ版が用意されている場合、字幕版と吹替版を切り替えてもローカライズ版でしか表示されないようです。
ねとらぼ編集部ではウォルト・ディズニー・ジャパンに、同社のPR代理店を通じ「批判の声を把握しているか」「近年改善に取り組んでいる点はあるか」、そして「Disney+においてオリジナル版とローカライズ版を切り替える機能を用意する予定はあるのか」質問しましたが、期日までに回答を得ることができませんでした。
文字表現のローカライズは、作品を幅広い年代に届けるための取り組みとしては有意義なものです。せっかく作品のために行っているのだからこそ、より良い内容に仕上げてほしいと願わずにはいられません。
なお、2022年9月には、「Disney+」のメニュー画面に表示される作品ロゴのフォントが「クソダサ」だと紹介したブログ記事もネット上で話題になりました。その中でトップバッターとして紹介された「スパイダーマン&アメイジング・フレンズ」の「クソダサ」ロゴは、その後Disney+上でひっそりと修正されています。ディズニー側も案外、ユーザーのこうした声には敏感なのかも……? 今後の改善に期待したいところです。
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