国民生活センターはマッチングアプリといった出会いを求める場を利用した詐欺の注意喚起をしている。
「婚活実態調査2022」によれば、2021年の婚姻者のうち、婚活サービス(結婚相談所、ネット系婚活サービス、婚活パーティー・イベント)を通じて結婚した人は15.1%であり、そのうち約6割の人がマッチングアプリ等のネット系婚活サービスを利用しているという。
その中には悪意をもった利用者も一定数紛れ込んでおり、消費生活センターにはマッチングアプリ等で知り合った人から暗号資産やFX等の投資を勧められ、送金したところ、相手と連絡が取れなくなったといった相談が多く寄せられている。国民生活センターではそうした寄せられた相談内容から、手口を分析して公表している。やり取りする際、相手がその手口に当てはまる場合は詐欺的な投資トラブルにつながる可能性もあるとしている。
相談内容から見える相手の特徴としては「自称外国人や外国の在住経験がある日本人」「不自然な日本語」「暗号資産やFXでもうけている」「趣味は投資や資産運用」「副業で投資をやっている」を挙げている。また、連絡の取り方として「マッチングアプリから早々にLINE等のSNSへ変更を提案」してくる人は注意が必要なようだ。
投資の誘い文句としては「投資に詳しい家族や親戚(知人)の言うとおりに投資すればもうかるよ」「結婚するなら金銭感覚が近い人が良いから、一緒に資産運用しよう」「結婚の資金を貯めるために投資しよう」「豊かな結婚生活のために投資は重要だよ」といった文言を例に挙げている。
「二人の結婚後の資金を貯めるためにと暗号資産を送金させられたが、連絡が取れなくなった」り、「FX取引を勧められ210万円を投資し、その後利益の出金を求めたが返信が来なくなった」といった実害も紹介されている。
マッチングアプリなどは、知り合った相手の指示で投資するのはやめ、ルールに従って利用するよう呼び掛けている。不安に思った場合や、トラブルに遭った場合は、すぐに最寄りの消費生活センター等へ相談してほしい。
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