メルカリ、他人を呪う“呪術”が多数販売で物議 「確実に呪います」と訴える出品も 運営元「対応方針については差し控える」(1/2 ページ)
運営元のメルカリに規約や今後の対応について問い合わせました。
確実に呪います――。フリマアプリ「メルカリ」で呪術が販売されていることが、SNS上で波紋を広げています。メルカリ上で呪術の販売が多数確認できたことを受け、ねとらぼ編集部では運営元のメルカリに規約や今後の対応について問い合わせました。
メルカリ上での呪術の販売が注目を集めたのは、陰謀論や悪徳商法などについて調査・執筆するライターの雨宮純さん(@caffelover)によるSNS上での投稿がきっかけです。雨宮さんは「メルカリで呪術が売られている。。。」という言葉とともに、呪術の販売ページのスクリーンショット写真を投稿しました。
その販売ページには、「略奪したい」「嫌がらせしてくる相手に仕返し」「パワハラやセクハラの復讐」などの具体例を挙げ、「確実に呪います」「どんな悩みや恨みにも対応致します」と記載されています。また、呪術の流れについては、購入後に購入者と対象となる相手の名前、生年月日、今後どうなりたいかを伝えたうえで、儀式を実施し、御札を発送するとしています。
ねとらぼ編集部が調べたところ、メルカリ上での呪術には複数の販売元があり、すでに売り切れているものも多数存在することが確認できました。どの呪術も復讐や恋人との別れなどを対象としていますが、なかには結婚や復縁、宝くじ高額当選などの願いにも応えるというものも見られました。
いずれ呪術も流れはほぼ同様ですが、あわせて手紙、鑑定書と清めの塩、報告書と儀式の写真などを送付すると記載されています。メルカリでは「サービス・権利など実体のないもの」の販売を禁止していることを受けたものとみられます(※)。ちなみに、スキルマーケット「ココナラ」では、「第三者に呪い、復讐などで不幸をもたらすことを前提としているサービス」の出品を禁止しています。
※一方で、メルカリでは「オーダーメイド品に関しては、試作品(商品サンプル)を商品写真として掲載することで出品可能」としており、多くの呪術は「ハンドメイド/その他」ジャンルで販売されています
相場は約5000円から約4万5000円とみられ、相手への恨みや復讐心の度合いと求める呪いの影響にあわせて、価格を3段階(例えば、軽度は4000円、中度は8000円、重度は44000円)から選択できるものも存在しました。また、「呪い返し」と記載された販売も多数見られるほか、呪術と同様の効果を持つという「黒石」「浄化塩」のみを販売するケースも見られます(※)。
※メルカリ上では同じくスピリチュアルな文脈で「水晶」「隕石」「ブレスレット」なども販売されており、なかには380万円や450万円など高額な出品も明らかになっています
雨宮さんが指摘するとおり、Twitterには「呪術師」「代行師」などと記載されたアカウントが複数あり、プロフィールからメルカリへと誘導する文言を記載したものも複数存在しました。
ねとらぼ編集部では運営元のメルカリに、一部ユーザーによる呪術の販売について「サービス・権利など実体のないもの」の販売に当たるのではないか、今後何か対策を取る予定はないかと問い合わせたところ、個別の出品物については差し控えるとしつつ、以下のような回答が得られました。
メルカリでは、2020年7月に設立した「マーケットプレイスのあり方に関する有識者会議」での議論をもとに、社会において必要なマーケットプレイス運営の原理原則を定めた「マーケットプレイスの基本原則」を策定し、これに基づき事業運営を行っております。
本基本原則では、「多様な価値観を持った人たちが、自由に取引できるマーケットプレイスを創ること」を重要な理念とし、多様な価値観を持った売り手と買い手の自由な取引を通じ、需給のマッチングを実現することが大切だと考えております。
本件にかかわらず、個別の出品物に対する対応方針については差し控えさせていただきますが、禁止されている出品物や禁止行為に関してはガイドラインに沿って対応しており、違反を確認した場合は適切に対応させていただきます。
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三度見くらいしてしまいそう。