高級車を狙う窃盗団の仕業か クルマの底面にApple製トラッカー「AirTag」が仕込まれていた事案が話題 過去には同様の手口で愛知県警の捜査車両にも（1/2 ページ）

AirTag発見時の動画も提供いただきました。

[春山優花里，ねとらぼ]

　いつの間にか高級車にトラッカーが仕込まれていたという恐ろしい事案がTwitterで話題になっています。2022年には同様の手口で愛知県警の捜査車両にも仕掛けられていました。

　話題になっているのは、高級スポーツカーなどを扱う自動車ショップ「Ultimate Garage」のオーナー、魔界クン（@hirooooomi964）さんの投稿です。

　ある日、スタッフから「（スマホに）AirTagの反応がある」と報告を受けました。AirTagとはAppleが販売しているスマートトラッカーで、iPhoneと連携して位置情報を確認できるアイテムです。（AirTagには、気づかれないように他人の居場所を把握しようとする行為を阻止する機能が搭載されており、持ち主の手元を離れたタグをしばらくの間持ち歩いていると通知が来ます）

　スタッフたちと協力して、AirTagの反応があったところを重点的に捜索したそうですが、どこから反応を拾っているのかわからず、闇雲に探す状況だったそうです。

　しばらくして、社用車として所有しているレクサスLXに乗ると反応があることに気が付いて、車内外を細かくチェックしましたが、AirTagを見つけることはできませんでした。

　仕方なくカーディーラーに持ち込んで整備士による点検を受けることにしたそうです。

取り付けられてたAirTag

マグネットつきケースから取り出したAirTag

　詳しく調べるためにレクサスLXをリフトに乗せて持ち上げてみたところ、底面からAirTagが発見されました。マグネットつきケースに入った状態で、一見してわからない場所に取り付けられていました。

　ねとらぼ編集部では発見時に撮影した動画を提供してもらい、正確な位置を確認しました。リアタイヤの後ろにある金属パーツとカバーの間に取り付けられており、接地した状態でのぞき込んだ程度では発見が困難な場所で、手を伸ばせばなんとか届く場所でした。

　AirTagは紛失物の捜索などを目的とするアイテムですが、郵便や宅配などの「梱包物」から、バッグやコートなどに忍ばせて、位置情報を見知らぬ人に取得されて悪用されるという懸念があり、2022年7月には愛知県警の捜査車両からAirTagが発見され、犯罪組織の関与が疑われていました。

　底面から見つかったAirTagについて、すでに警察に相談しているそうですが、現時点では特に動きはないそうです。

　投稿者の魔界クンさんにAirTagを仕込まれたタイミングについて思い当たる点を訪ねたところ、「空港利用時に停めていた駐車場ではないかと推測しています」とのことで、AirTagの動きで長期駐車であるか否か、所有者の自宅を特定するなどの狙いで窃盗団が仕掛けたのではないかと疑っていました。

画像提供：魔界クン（@hirooooomi964）さん

（春山優花里）