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水道管を確認したら亡き父が遺した凍結対策が 寒波の中、5年の時を経て届いた愛の話がジーンとくる(1/2 ページ)

ずっとお母さまを守ってくれていました。

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 Twitterに投稿された「寒波の中、5年の時を経て届いた愛の話」が、心温まると話題です。投稿者にも話を聞きました。

水道の写真 水道管の凍結対策をしようとしたら……(イメージ画像)

 投稿したのはミドリさん(@Isseymidori)。寒波による水道管凍結への注意を呼びかけるテレビ放送をみて、東北で独り暮らしをしているお母さまが心配になりました。電話をかけてみると泣いていたそうです。

 話を聞くと、3つある外の水道管の鉄扉を開けたら、すべて驚くほど丁寧にタオルとエアーキャップが巻かれていたんだそうです。それは、紛れもなく亡き父の仕業だといいます。

 ツイートは「これこそ、あの世から5年の時を経て届いた愛。このタイミングで娘から電話があることも父の遠隔操作かな」と締めくくられています。

 故人が残してくれた形跡からは、優しい人柄がしのばれます。実際はどのような方だったのでしょうか。ミドリさんに話を聞くことができました。

―― ご実家では、水道管が凍結したことはありましたか? 過去に対策が必要なほどの寒さに見舞われたことがあったのでしょうか

ミドリさん: 両親はリタイア後に都会から福島に移住して20年ほどになりますが、その間水道が凍結したことは一度もないそうです。母が知らなかっただけで、もしかしたら父は毎年入念に対策していたのかもしれません。

―― お父さまはどのようなお方でしたか

ミドリさん: 父は石油プラントの設計士で海外赴任が多く、子どものころは離れて暮らす時間がほとんどでした。その分、家族との絆を大切にする良き父親でした。

―― ミドリさんから見てご両親はどんな夫婦でしたか

ミドリさん: 両親はいわゆるおしどり夫婦で、移住後は庭にバラ園を作ったり、陶芸教室を開いたりと何をするにも一緒でした。口数が少なく、物腰が柔らかく、近所でも評判のジェントルマンな父を母は自慢に思っていたようです。68歳で4回目の脳梗塞を発症し、寝たきりになってしまいました。その後も母は献身的な介護で父を支えましたが、70歳で旅立ちました。亡くなって5年たった今も、家の端々に父の愛情を感じ涙するそうです。

 私は俳優の高橋一生さんのファンなのですが、今期のドラマ「6秒間の軌跡」も亡き父が幽霊となって戻ってくるといったファンタジーで、いろいろ重なる想いがあります。同じく今期ドラマの「100万回言えばよかった」も亡くなった恋人が見えないけどずっと側に居て彼女を見守っているという設定です。肉体は失われても人の想いは残る……愛する故人に守られている感覚を信じたい気持ちは誰の胸にでもあるのだと思います。

―― 反響について感じたことをお聞かせください

ミドリさん: この度のツイートが思いがけずたくさんの方に届いたこと、恐縮しつつうれしく思っています。うそみたいなタイミングですが、今日(1月25日)は母の誕生日なので、記事にしていただくことが良いプレゼントになればと思います。唯一、父に教えられないのが残念ですが(笑)。


 お話からは、本当にすてきなご夫婦であることが伝わってきました。亡くなったあとも、毎年、水道管が破裂しないように守ってくれていたのでしょう。故人がずっとそばに寄り添ってくれている、そういったことは本当にあるのかもしれません。

高橋ホイコ

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