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「熱くなりにくい黒色」で、自動車開発の未来が変わる? 化学メーカー・DICが生んだ「近赤外線コントロール黒顔料」のスゴさ※編集部注:2023年11月3日、本記事に関するアンケートを記事最下部に追記しました

黒は熱くなる、の常識が壊れるっ……!

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 印刷インキ、有機顔料などを開発する日本の化学メーカー・DIC(ディーアイシー)。吉岡里帆さん扮する、作業着に丸眼鏡の「DIC岡里帆」さんが登場するCMシリーズで、その名前を知っている人もいるかもしれません。

 「色のプロ」DICが生み出した最新素材が、「近赤外線コントロール黒顔料」というヤツらしいのですが……いったい何がスゴいんです?

「近赤外線コントロール黒顔料」のココがすごい!

 子どものころに「日差しの強いときは、黒い服を着ると暑くなりやすい。白い服のほうが涼しい」と聞いたことがあるかも。これは「黒色は赤外線を含む光のエネルギーを一番吸収する色」だから、という科学的な知識に基づいた話。

 ですが、「近赤外線コントロール黒顔料」は違います。

 物体は、外から赤外線を受けると分子が細かく振動して、その結果熱くなります。そして、黒色は赤外線を含む光のエネルギーを一番吸収する色なので、必然的に一番熱くなりやすい色でもあります。しかし、DICの「近赤外線コントロール黒顔料」は、黒色でありながら近赤外線を吸収しない――黒色なのに太陽光下で熱くなりにくい“新しい黒色”なんだそう。

 なるほど分からん。だけど、「黒は熱くなるもの」だと思っていた俺たちの常識が壊れる音がする……!!

ココがすごい! その1:自動車開発がめちゃくちゃ進歩するかも?

 黒色やダークカラーの自動車は、日差しが強い季節になると、ドアやボンネットに触れるだけで「熱っ!!」となるほど車体の温度が高くなります。車体の温度が高くなることは、人にも機械にとっても悪影響……そのためこれまで、自動車には強力なエアコンの搭載が不可欠と考えられていました。

 そこに、近赤外線の吸収が押さえられる黒顔料が登場したことで、より小さな車載エアコンでも事足りる可能性が出てきました。車載エアコンが小型化できると、設計の制約が少なくなるほか、電力消費量の減少も期待できます。

 特に電気自動車は、エアコンによる電力消費が走行距離に大きく影響を及ぼします。もしかして、クルマの塗装を変えれば走行距離が伸びる……ってコト!?

 さらに、電力消費量の減少以外にも、もう一つ大きなメリットがあるんだとか。

 安全で正確な運転実現を実用化するために、近年注目されているのが「LiDAR(ライダー)」というセンサー技術。既存のレーダーが電波を使うのに対して、LiDARは赤外線レーザーを使って周囲をセンシング(検知)します。

 しかしここで思い出してほしいのが、「黒色は赤外線を吸収してしまう、熱に変換してしまう」という性質。黒やダークカラーで塗装されたクルマや物体は、LiDARではセンシングされにくいという課題を抱えていたのです。

 つまり、自動車の車体塗装に使用する黒色を近赤外線コントロール黒顔料に置き替えられれば、LiDARでより正確にセンシングされやすくなるというわけ。クルマの塗装を替えたら、安全性まで向上しちゃうなんて……!!

ココがすごい! その2:これまで無かった「新しい色」が生まれるかも?

 とにかく自動車業界にとってはすごいことなのね、と思っていたそこのあなた! 実はもっと身近なところでも、この黒顔料がありとあらゆる「塗装」に変化を起こすかもしれません。

 下の3つのテスト塗装のうち真ん中が、新製品の近赤外線コントロール黒顔料で塗装されたもの。真ん中が一番「真っ黒」に近い色に見えませんか?

 右側の塗装「ペリレンブラック」は、元々DICが製品化していた近赤外線低吸収顔料。カーボンブラックと比べて少し緑がかった色味のため、“黒色らしさ”でどうしても負けてしまうといった難点がありました。

 そこでDICは、従来のぺリレンブラックの物質的特徴・化学構造を維持したまま、化学結合の結合力を細かくコントロールして色味を調整。近赤外線を吸収しにくいというペリレンブラックの長所はそのままに、カーボンブラックに負けない深みのある発色を実現しました。

 自動車だけでなく、パソコン、スマートフォン、家電、ロボット……ありとあらゆるモノのデザインに「色」の調整は欠かせません。新しい「近赤外線コントロール黒顔料」の黒さによって、今までの塗料では実現できなかった「よりディープな黒色」や「よりダークなカラー」のアイテムが登場する日も近そうです。

 黒って200色あんねん――それくらい細かい色の違いも、近赤外線コントロール黒顔料ならひょっとして表現できるかも?

「近赤外線コントロール黒顔料」のスゴさをもっと知りたい!

 性能の高さと、黒色としての魅力を兼ね備えた「近赤外線コントロール黒顔料」は、デザイナーの人々からも注目を集めています。

 家庭用ロボット『LOVOT(らぼっと)』などのデザインを担当したプロダクトデザイナー・根津孝太さんも、DICの「新しい黒色」に大きく期待を寄せている人のひとり。

 DICのオリジナルコンテンツ「DIC岡里帆式クロストーク」では、根津さんとDICの開発担当者が、それぞれの視点から「近赤外線コントロール黒顔料」の可能性について、もっと詳しく語っているようすを読むことができます。

 色やカタチをデザインするプロダクトデザイナーと、色の素材ともいえる「顔料」を開発する技術者――それぞれの視点が交わる対談コンテンツ、気になる人は要チェックです!

企業名:DIC株式会社

本社:〒103-8233 東京都中央区日本橋三丁目7番20号 ディーアイシービル

電話番号:03-6733-3000

【※編集部注:2023年11月3日、本記事に関するアンケートを記事最下部に追記しました。】


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提供:DIC株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ねとらぼ編集部/掲載内容有効期限:2023年11月3日

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