輪っか模様のある道路が坂道とセットになっているのはなぜなのか? 山道を歩いていて生じた素朴な疑問がTwitterで「確かに坂道に多い」「ただの滑り止めだと思ってた」と話題になっています。
Twitterユーザーの理科教師とらふずく(@raptorial_owlet)さんが、山道を歩いているときに「そういえばこの輪っか模様のある道路は坂道と紐付いて記憶されてるな」と、ふと思ったことをツイート。「息切らして歩いている時はだいたいこの地面」と過去の記憶も振り返りつつ、写真を投稿しました。
たくさんの円形の溝があるその道路は、言われてみると確かに坂道とセットのイメージです。またあらためて見ると、黒いアスファルトではなく、白いコンクリート舗装になっているのも気になってきます。
編集部では、道路舗装大手の東亜道路工業に上記の疑問について聞きました。
――実際に“輪っか模様のある道路”は坂道に多いのでしょうか
東亜道路工業:(上記の工法は)基本的には坂道で行います。理由として、勾配の急な坂道はアスファルト舗装が施工できないためです。
――なぜ輪っか模様をつけているのでしょうか。また、どのような効果があるのでしょうか
東亜道路工業:すべり止め効果が期待されてのことです。
――どのようにして輪っか模様をつけているのでしょうか
東亜道路工業:固まっていないコンクリートに輪っかの型枠を置いて、真空マットを敷いて減圧して作ります。
この「真空コンクリート舗装」の工事風景は、いくつかの建設会社がYouTubeで公開しており、ならした生コンクリートの上にリングを配置して埋め込んでいく様子が見られます。手作業なのがすごい……。
ちなみにコンクリート舗装については滑りやすいと言われることがあるそうですが、セメント協会のWebサイトによると、既存の調査結果などから、アスファルト舗装と比較しても「コンクリート舗装路面が特に滑りやすいとは言えないものと考えられます」とのこと。
Twitterでは「これ東京に来て初めて見て、面白いなーって思ってた」「これになってる坂道は傾斜が大きい、というイメージ」といった声や、特徴的な道路だけに「子どものころ母に、お馬さんがパカパカ歩いて足跡をつけたんだよって教わって、けっこう長い間そう思ってた笑」「小学生の頃は『タコタコ坂』っていう愛称で親しまれていました」なんてエピソードも寄せられています。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.