ITmedia ガジェット 過去記事一覧
検索
ニュース

月額480円で飼い主を失った猫を救う制度 “コーヒー1杯”の金額で終生飼養が可能な革新的な仕組み、熱き思いとは(3/3 ページ)

万が一に備える制度についてネコリパブリック代表に話を聞きました。

advertisement
前のページへ |       

保護猫を迎えるという選択肢を多くの人が選ぶように

――コロナの感染率も落ち着いてきましたが、前回のコロナ禍の取材時と比較して経営の現状はいかがでしょうか

河瀬:お店もだんだんとお客さんが増えて、かつ、コロナ禍にサポーターになってくださった方が今も継続してサポートしてくださっているおかげで、新しい取り組みなどを始められるようになって、すごくありがたいなと思っています。

ネコリパブリック
保護猫カフェ「谷中しにものぐるい店」で新しいお家を待つ猫(取材時)

――猫たちの譲渡状況は変わってきましたか

河瀬:コロナ禍はステイホームの影響で「家にいるから迎え入れたい」とかなり譲渡が進み、コロナ前に比べると約2倍ぐらいの譲渡数になりました。もちろん、安易に飼う人たちも出てくる可能性があったので、うちはしっかりと審査をして問題のない方へ譲渡するようにしていました。コロナのピークが過ぎて、特に東京は譲渡数が2倍からちょっと下がってきてる気がしますね。ただ譲渡のニーズは、コロナ前よりまだ高い水準ではあります。

 あと、保護猫を家族に迎え入れるという選択肢を多くの方が選んでくれるようになっているな、というのはしみじみ思います。どこで保護猫と出会っていいか分からなかったという方がすごく多かったので、猫カフェがあったりとか、譲渡会があるというのを知って、参加してくれる方が増えたのではないかと思っています。

ネコリパブリック
公式Webサイトより)

――確かに保護猫=保健所というイメージが皆さん強いのではないかと

河瀬:そうですね、なかなか保健所には行きづらいですし、ハードルが高かったのが、いろいろな場所で保護猫カフェや譲渡会が増えているので、保護猫を家族にするという選択が増えていると感じます。

止まらない、止まれない、どんどん前に進みたい

――その他に現在取り掛かっている事業はありますか

河瀬:現在進んでいるのは、ふるさと納税を連携している岐阜県の飛騨市で行っている、国税調査ならぬ猫勢調査というものです。

ネコリパブリック
飛騨市×ネコリパブリック「猫勢調査」アンケート
ネコリパブリック
飛騨市×ネコリパブリック「猫勢調査」アンケート

 市内全戸にアンケートを配布させてもらって、いただいた回答の集計を始めています。猫を飼ってる人向け(頭数やワクチンの有無の把握)のものと、猫を飼ってないけど猫の問題を抱えてる人(近所に野良猫がいる、多頭飼いしてる人がいる、ふん尿の被害に困ってるなど)のものを配布して集計し、その結果問題を抱えている地域を特定、猫問題を事前に把握、そして解決していく計画です。予定では4月末には集計が終わるのではないかと。今後もふるさと納税などを活用して、自治体とタッグを組んで猫たちをレスキューしていきたいと思っています。

ネコリパブリック
SAVE THE CAT HIDA」ふるさと納税で猫助け

――今後のネコリパブリックの活動について教えてください

河瀬:今期は預かりボランティアやミルクボランティアの育成事業を行いたいと思っています。そのために新しいシェルターを作り、そこで保健所から引き出した猫たちに協力してもらって実技をしながらボランティア講習をしたり、オンラインでの講習を行う予定です。

――今日は2月にオープンした谷中しにものぐるい店にお邪魔して取材しています

河瀬:谷中店(東京都台東区谷中)が入っているビルのオーナーさんと昔から仲良くさせていただいている縁でこの地にオープンしました。昔から“猫の街(※)”として有名な谷中なので、そんな街に保護猫カフェがあるのは、すごく価値があることだと感じていて、もっとアピールしていきたいと思っています。

※以前は野良猫・地域猫が多かったため“猫の街”と呼ばれていた。近年は寿命や保護活動により外猫は減少している

ネコリパブリック
あちらこちらに猫ちゃんが!

――谷中店の他店との違いは

河瀬:ここは伊藤ネコというキャラクターで有名な、はんこ屋「しにものぐるい」さんとのコラボ店となっていて、店内のいろいろなところに貼ってあるポップ(「ドアを閉めてね」など)が全部しにものぐるいさんの描き下ろしになっています。

ネコリパブリック
店内のPOP
ネコリパブリック
店内のPOP

 それ以外は他店と同じく保護猫カフェとして運営し、お店にいる猫たちの譲渡もしています。譲渡対象の子たちが常時20匹はいるので、ぜひどんどん新しいお家が決まってほしいなと思っています。

ネコリパブリック
保護猫カフェ「谷中しにものぐるい店」で新しいお家を待つ猫(取材時)
ネコリパブリック
4階には3階がのぞける透明な床が

――3月には千葉県にも新しい店舗がオープンしたのですよね

河瀬:はい、3月22日に千葉県千葉市にフランチャイズの「ちば店 CAFE&CATS MOF MOF」という新しい保護猫カフェをオープンしました。これでネコリパブリックの猫がいる施設は全国で11店舗になりました。今後も新しい店舗をオープンしていたきたいなと考えています。

ネコリパブリック
ちば店 CAFE&CATS MOF MO 外観
ネコリパブリック
ちば店 CAFE&CATS MOF MO 内装

――常に前に前にという感じなのですね。代表としてプレッシャーを感じることはないですか

河瀬止まれない(笑)。止まらない、止まれない。関わる人たちが増えれば増えるほどスピードが上がるので、どんどん前に進みたいなと思っています。(プレッシャーは)あんまりないです(笑)。猫を見ると頑張ろう! と思えます。

――最後にねとらぼ読者にメッセージをお願いします

河瀬「猫生たすけあい制度」は本当に純粋にみんなで助け合いの輪を広げて、もし会員が100万人になったら、ものすごいパワーを持って、もう日本中の猫たちを助けられるようになると思うので、ぜひ猫を飼っている方も、飼っていない方も、猫をあいしてる人みんなが加入してくれるとうれしいなと思っています。

(了)

ネコリパブリック

公式Webサイト:https://www.neco-republic.jp/

Twitter:(@necorepublic)

Instagram:(@necorepublic_campaign)

画像提供/取材協力:ネコリパブリック

オススメ記事

前のページへ |       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る