イタリアの女性が列車内でアジア系の人に対して、馬鹿にするように「ニーハオ」と言って笑う様子がTikTokに投稿され、物議を醸しています。
動画はボーイフレンドとその両親とともにイタリアを訪れたパキスタン系米国人の女性が撮影し4月24日に投稿。全員米国人で、ボーイフレンドの母親は中国系で、父親は白人としています。
動画には「ミラノの列車でイタリアの女性がボーイフレンドとその母親に人種差別をした」との投稿者のコメントが添えられ、投稿者たちの方を見て「ニーハオ」と言い、嘲っているように見える様子で笑う複数の女性が写っています。
投稿者は、女性たちが自分たちを見て笑っているのに気付き、初めは無視したと動画の説明文に記しています。その後彼女たちはますます攻撃的になり、不愉快な言い方で「ニーハオ」と言い始め、笑ったりからかったりし続けたため動画を撮影したとしています。「彼女たちは動画ではおとなしいが、それでもニーハオと言うのが聞こえるし、彼女らの姿勢は感じられる」
動画には200万件を超えるいいねが集まり、「悲しい」「同じ人間なのにね」「ひどい」といった声や、「私はイタリア人だけど彼女たちとは違う。申し訳ない」などのコメントが寄せられました。
投稿者は26日、動画に写っていた女性からダイレクトメッセージが来たと報告。DMには「友達と笑い合っていただけ」「差別する意図はなかった」「私たちの振る舞いにあなた方が感じたことについて謝罪する」などと記されていたといいます。また女性たちが「憎悪といじめ」を受けており、投稿者が動画をネットに掲載し続けることは「本物の人種差別主義者が、説明を聞くことなく私たちに憎悪を注ぐチャンスを与えている」ため逆効果だとも書かれていたそうです。
投稿者はこれを「誠意のない謝罪」と一蹴。動画に写っていないところで、「何度も(差別的な行為を)やめるチャンスを与えた。今も真に謝罪して人間として成長するチャンスがあったのに、あなたはそれをつかまなかった」と返信したとしています。なお投稿者は動画の中で、応援に感謝するとともに、女性たちをいじめることや、彼女たちの容姿についてコメントすることは望んでいないとも述べています。
その後、女性たちはサクロ・クオーレ・カトリック大学の学生と分かり、同大学は26日、「当大学は尊敬と包括の価値を一貫して推進し、いかなる人種差別も非難してきた」とのコメントをInstagramで発表。必要な調査を行い、大学の規則に従って対応するとしています。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.