中国の大手動画配信プラットフォーム「iQIYI(アイチーイー)」が新作発表会で5月10日、「銀河英雄伝説」のドラマ版の製作を発表。ところが、日本の原作権利元の関係者が発表について「私も初耳なんですよ」と明かし、物議をかもしています。
『銀河英雄伝説』は田中芳樹さんによるSF小説シリーズ。原作本編は1982年〜1989年に刊行され、その後も長期に渡りアニメ化や漫画化といったメディアミックス展開がされるなど、根強い人気を誇ります。
今回発表されたドラマ版は、iQIYIと、中国で大ヒットしたドラマ「三体」の制作会社・霊河文化(※霊は簡体字)が共同製作。脚本として、ドラマ版「三体」にも参加した田良良さんが名を連ねるなど、ファンとして期待が膨らみそうな布陣でした。
しかし、現地の報道が日本でも拡散されはじめたところで、同作の著作権管理を行う「らいとすたっふ」の代表・安達裕章さんが「初耳である」とTwitter上で投稿。続けて、過去に実写化契約をした事実はあるものの、その会社はすでになくなっていること、そしてその際に実写化の権利を引き継いだ会社からも特に連絡は来ていなかったことを明かしました。
これを受けてファンも動揺。Twitter上では、「まじか」「何とも言えない状況ですね」「穏やかに解決することを願います」「うわあ」といった反応が相次ぎました。
原作の『銀河英雄伝説』は1990年代には中国語翻訳版が出版され、中国でも大きな人気を誇るシリーズ。それこそ『三体』の原作者、劉慈欣さんも影響を受けた作品であると公言しています。
安達さんは今回のドラマ化について、「『引き継いだ会社』の方〜。『引き継いだ』というのも、こっちからいろいろ調べて判明したワケですし、いちどくらい電話でもメールでもいいから連絡くださいよ〜。もうこういうことで揉めるのイヤなんですよ」と呼びかけ。また、ファンに対しては「ひとまず冷静に様子を見て頂くようお願いします」とつづっています。
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